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フリーランスのライター・編集者

Ahmet Misirligul / shutterstock.com

AR(拡張現実)の楽しみ方がゲームだけなんて思っていたら大間違いだ。シリコンバレーで活躍する業界のキーパーソン、オリ・インバー(AugmentedReality.org創設者)を直撃し、今後の展開を占ってもらった。

─「オキュラス・リフト」や「プレイステーションVR」が発売されるなど、最近VR(仮想現実)関連のニュースをよく耳にします。一方でAR(拡張現実)は、『ポケモンGO』のヒットで注目されましたが、全体的にVRに押され気味のようです。

私は10年ほど前からこの業界に関わっていますが、VRが注目され始めたのはここ1〜2年のことで、それまでずっと忘れられていました。

逆にARは2007年にiPhoneが登場してから、それなりにきちんとしたヴァーチャル体験を提供してきました。ただあまり一般にまで広がっているとはいえなかった。そこにオキュラスが登場し、VRが俄然、注目されるようになった。だからそういうシーソーゲームが繰り返されてきたんですね。

今は完全にVRが注目度で勝っています。でも、それはあくまで一般消費者市場に限った話で、じつは法人向け市場を見ると、ARはすでにかなり普及しています。実際、ARの市場規模はVRよりも大きいのですが、法人向けの話なので気づいている消費者が少ないだけです。

企業がどんなふうにARを使っているかというと、たとえば航空大手ボーイング社は製造工程の一つ、ワイヤーハーネスを束ねる作業でARを活用し、成果を上げています。また運送大手DHLも倉庫での荷物のピッキング作業にARを導入し、生産性が25%も向上したと報告しています。

グーグルが失敗した理由

─VRでは一般にヘッドマウント・ディスプレイが使われますが、ARでは『ポケモンGO』のようにスマホを使う形になっていくのでしょうか?

スマホはARを気軽に体験する上では便利ですが、ARの本当のすごさを味わうには、やはりスマートグラスだと思います。スマホと違って視野全体をカバーでき、両手が自由に使えるからです。それが製造現場などで採用が広がっている大きな理由です。

たとえば作業員が遠隔で機械を修理する状況を想定しましょう。これまでは紙のマニュアルやタブレットを見ながら作業を行っていました。でもスマートグラスがあれば、必要な情報を視野内に映し出しながら、作業を続けられます。また搭載されているカメラを使って、作業員が見ている映像をバックオフィスのオペレーターともリアルタイムで共有できるので、問題が起きた際のコミュニケーションもスムーズに行えます。

─スマートグラスといえば、「グーグルグラス」の失敗が記憶に新しいですよね。プライバシーの問題だけでなく、バッテリーの持ちの悪さやデザイン的な抵抗感もあったようですが……。

いろいろな理由があると思いますが、私が考える一番の問題は、グーグルグラスが一般ユーザーの日常的な使用を想定していたことです。グーグルの最初のビデオ広告も、スマートグラスをかけたら一日の生活がこんなふうに変わる、ということを表現する内容でした。でも一日中スマートグラスをかけていたい人はあまりいない。ああいうメガネをしてバーに行きたくないですからね(笑)。

重要なのは、スマートグラスは常にかけておくものではなくて、特定のタスクを行うためにかけるものだということ。職場以外にも学校、遊びなどさまざまなシチュエーションが考えられますが、いずれも必要に応じてかけるものなのです。

少なくとも今後5年くらい、それは変わらないでしょう。それより先の未来はどうなるかわかりませんが、ふつうのメガネと見た目で区別がつかなくなり、消費者の抵抗感もなくなれば、ずっとかけておくようになっているかもしれませんね。

インタビュー・編集=増谷 康

 

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