レイオフ(解雇)は、雇用主が収益や企業戦略、製品ラインや従業員の成績を評価する年末年始の時期に行われることが多いようだ。米労働統計局などによれば、2017年1月の米国の失業率は4.8%となり、前年11月の4.6%より悪化した。
退職や失業は、ほっと一息付くチャンスにもなり得る。だが、思わぬ心理的、社会的な障害をもたらすことも多い。年末年始の前後に仕事を失った友人たちの話を聞いているうちに、筆者自身が仕事を辞めた後の気持ちの切り替えに役立ったいくつかのヒントを思い出した。以下にそれらを挙げてみることにする。
・髪を切る人であれ組織であれ、大切な何かと別れた後の仕切り直しには髪を切ることが役立つ。
・旅をする新しい仕事に就いた年は、あまり旅行をしないものだ。また、米国人は欧州の労働者ほど休暇を取らない。つまり、次の仕事に就くまでの期間は、旅行をして“楽しい失業生活”を過ごせる時間ということになる。たまったマイルを使うのもいい。予算が少なければ、車で旅行してもいいだろう。聞き上手な古い友人を訪れるのもいい。余裕があれば、一世一代のぜいたく旅行をしてみてはどうだろう。
・勉強する仕事を辞めた時こそ、MBA(経営学修士)や博士号の取得を目指したり、自分の人生を豊かにしてくれる、あるいはキャリアの可能性を広げてくれる勉強をしたりするチャンスだ。それまで時間がなくてできなかった、オンラインや個人レッスンの短期コースを受けるのもいいだろう。
・歩き、会話をするニューヨークのメトロポリタン美術館の最高デジタル責任者(CDO)だったスリー・スリーニバンサンは失業したことをソーシャルメディアで公表し、「セントラルパークで一緒に散歩をしながら助言をしてくれる人はいないか」と呼びかけた。これは、インターネット上で大きな話題になった。「時間があるから、誘ってほしい。コーヒーやお酒を飲みながら、意義深い話をするとか」などと書き込んだことは、いくつかのメディアでも報じられた。