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アパショナータ, Inc.代表 ダイバーシティ(多様性)&ワークライフ・コンサルタント

shutterstock.com

久しぶりにパリへ行った。土曜日に到着したので、その日はホテル近辺で夕食をし、日曜日に街へ繰り出した。

通りにある小売店だけでなく、プランタンやギャラリーラファイエットなどの百貨店も閉まっているので、散歩をしながら、オルセー美術館へ行き、アート鑑賞して一日を過ごした。日曜日のパリは時間がゆっくりと流れていく。

以前、フランス人に「日曜日にショッピングしないの?」と聞いたら「そんなの土曜にやればいい。日曜は自分のための時間だよ」と返ってきた。世界トップレベルの観光客数を誇るパリでも、日曜は店を開けずに休むのだ。

多くの欧州の都市では日曜に店が閉まっているだけでなく、深夜営業も限られる。コンビニもない。法律で週一日の休みや深夜営業の禁止が定められていることもあるが、たとえ法律がなくても、深夜や日曜日に働く十分な人数が集められないだろう。

買う人(消費者・顧客)がいれば、売る人(労働者)がいる。

欧州のシステムは“買う人”にとっては不便だが、計画的に買い物するなどすればその環境にもすぐに慣れるものだ。すると、“売る人”は休むことができる。誰でも、休日や深夜には休みたいでないか。欧州では消費者と労働者がお互いに尊重し合っているのだ。

「お客さまは神様です」がまかり通る日本では、消費者の厳しく高い要求に対して、労働者が必死に応えている。しかし、海外へ行くと、今や世界的に有名になってしまった日本独特の「おもてなし」が労働者の生産性を下げ、給与を下げ、長時間労働を増長し、結果自分たちの首を絞めていることに気づく。

国際比較をすると日本のサービスは特殊で、しばしば過剰とさえも受け取られるのだ。

例えば、日本の宅配便のサービスレベルは世界でも稀なことを認識すべきだろう。週7日間稼働し、時間指定をしても低価格で「明日」届けてくれることにすっかり慣れてしまっているが、海外では週末には配達してくれないし、時間指定もできないことがスタンダードだ。

急ぎの場合は追加料金を支払って、オプションで土曜日に送ることができるが、それでも日曜日は指定できないのが当たり前。日本に住み始めたアメリカ人は「日本では日曜日に宅配が届く!」と驚いていた。

送料だって、無料じゃない。配達員が仕事時間に労力を使って届けているのだから、誰かがその分を払っているのは当然だ。結局、客が送料を支払わないことのしわ寄せが、立場の弱い下請け労働者の賃金を下げてしまっている。送料無料やサービス無料は、まわりまわって「サービス残業」と同等のことを、客が労働者に強いている結果になっている。

文=パク スックチャ

 

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