ビジネス

2016.12.15 12:00

女性差別は「する側」の男性にも悪影響


それがこの調査の特に憂慮すべき点だ。“男らしさ”は幸福感の欠如と関連づけられるだけでなく、助けを求めない傾向とも関連づけられる。その結果、こうした現象が長く続くことになるのだ。

男らしさに固執する男性にとって「カウンセリングを求めることは弱さを意味する。女性を支配しなければという超男性的なメッセージは、自分の奥深くにある不安を隠す手段だ。不安や感情的なつながりを求める気持ちを偽りの強さをもたらす行為で覆い隠すのだ」とレイナーは言う。

この問題は、薬物乱用や自殺などそのほかの深刻な問題のリスクを高めることが分かっており、男性個人の体験にとどまらないとレイナーは指摘する。ビジネス上の取引や政治にも影響を及ぼし得る。若い世代が、“男らしさ”について従来の考え方を壊していくことが望ましいが、それには努力としばらくの時間が必要かもしれない。

またレイナーは「これはマッチョな男性たちだけの問題ではない」と言う。「若く繊細で、感情的にバランスの取れている男性も依然、この伝統的な考えを受け入れており、男性として“失格”になることを恐れている。男性のグループが増えている大きな理由もそこにある。彼らはこの古い悪習を、まさに自分たちの生き残りのために行使したいのだ」

編集=森 美歩

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