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番組を作らないNHKディレクターが「ひっそりやっている大きな話」

2016年の正月にリリースされた「プロフェッショナル 私の流儀」

テレビって、オワコンでしょうか?

僕はまったくそんな風に思いません。それどころか最近は「テレビって可能性しかないじゃん、最高っ!」とすら思うようになりました。

僕はNHKのディレクターをしています。でも、番組は作っていません。番組ではなく「番組の価値を届ける仕掛け」を作るのが仕事です。この2〜3年で100ほど仕掛けを企て、たくさん失敗し、時々ミラクルヒットも生まれました。生粋のNHKっ子なんですが、最近NHK中では“一人広告代理店”と言われたりもしています。

さて。またまた、みなさんに質問です。

あなたの“仕事の流儀”ってなんですか? あるいは、あなたにとって“プロフェッショナル”とはなんですか?

これは、NHKのドキュメンタリー番組「プロフェッショナル 仕事の流儀」の中で、必ず出てくるワードです。番組をご存じないという方のために簡単に説明をすると、イチローや宮崎駿といった世界的な著名人から地下鉄のダイヤを作成する“スジ屋”と呼ばれるサラリーマンまで、様々な業界の第一線で活躍されているプロフェッショナルが300人以上出演しているNHKの看板番組の1つです。

今年この番組は10周年を迎えました。それを記念して僕が企画した仕掛け、それが番組公式アプリ「プロフェッショナル 私の流儀」です。これを使えば、わずか5分で自分が番組の主役になったかのようなムービーを作ることができる、動画生成アプリです。

今年の正月にリリースしたのですが、これがあたりました。ディレクター人生初のヒットです(笑)。現在150万ダウンロードを突破し、「ACC CM FESTIVAL」という日本最高峰の広告賞や「日本賞」という世界的な教育賞を受賞するなど、国内外で高く評価されました。正直めちゃくちゃ嬉しかったです。

いや、ダウンロード数や受賞ももちろんですが、何が嬉しいって、アプリを使ってくれるユーザーの60%以上が10代、20代の若者だったんですね。これは今のテレビを取り巻く状況を考えるとミラクルと言ってもいい快挙でした。

そもそもこの企画が生まれた背景には「若者のテレビ離れ」という課題がありました。番組でも詳細なリサーチをしてみたのですが、メインの視聴者は60代独居男性であることが判明。これにはかなりの衝撃を受けました。ある程度覚悟はしていたものの、いざ数字を目の前にすると泣きたくなるものですね。

僕自身4年ほどこの番組のディレクターをしていました(数年前までは番組を作る普通のディレクターでした)が、番組がターゲットとする視聴者は明確でした。これから社会に出ようとする若者、そして現役バリバリの30〜40代のビジネスパーソンです。

そんな人たちに明日も頑張ろう!と思ってもらえるような熱い番組にしたい、と数々のプロに必死にくらいついて番組を作ってきたのに、実際には・・・(涙)。こちらの狙いと現実に大きな乖離が起きていたんですね。

どうすればこの乖離を埋めて、ターゲット層に番組の価値を届けることができるのか。そこで考えた仕掛けがこのアプリでした。そして、こんなこと言うのはなんですが、実はこれについては、企画段階からイケるな…という確信がありました。

例えばWikipediaでプロフェッショナル仕事の流儀を調べてみると、そこには“パロディ”という項目がある。民放各社さんが数々の番組でパロディを作ってくれているんです。さらに、YouTubeなどを見てみると、一般の方もプロフェッショナルのパロディ動画をバンバン上げている。

プロフェッショナルはフォーマットがしっかりした番組です。黒い背景に白文字で浮かび上がる流儀、番組エンディングに流れる「プロフェッショナルとは?」というインタビュー、スガシカオのテーマ曲などなど。型がしっかりしているからこそ、ずらした時に笑いが生まれやすく、パロディを作りたくなる。

文=小国士朗

 

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