賢い女性たちを襲う「燃え尽き症候群」の原因と対策

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次期米大統領候補のヒラリー・クリントンとタレントのシャロン・オズボーン、歌手のセレーナ・ゴメスの共通点はなんだろうか? それは、みな賢く、へとへとになるまで働いた経験がある、ということだ。

燃え尽き症候群は、極度の疲労、皮肉な考え方と無力感が組み合わさって生じる慢性的なストレスだ。キャリアの早い段階にある女性に影響を及ぼすことが多く、不安障害やパニック障害をはじめ、さまざまな病気への「入り口」でもある。

燃え尽き症候群はなぜ、キャリアの早い段階にある女性を襲うことが多いのか。3つの仮説を立ててみた。

1.ストレスへの耐性が低い

日常生活の中のストレス要因に対する反応は、心身の長期的な健康に影響を及ぼすことが分かっている。不愉快な同僚や交通渋滞、レジ待ちの行列、保育施設に子どもを迎えに行くのが遅くなるなどのストレス要因は、その瞬間は心の健康にさほど大きな影響を及ぼさないかもしれない。

だが絶えずストレスを感じており、ストレスへの耐性が十分にないと、将来的に心の健康に影響が出ることが分かっている。実際にストレスを受けてから10年も後に影響が出ることもあるのだ。

2.仕事をする上で重要なバランスが取れていない

燃え尽き症候群は、仕事の要求は多すぎるのに、そのためのリソースが足りず、さらに回復するための時間もないことが少なすぎることが原因で引き起こされる。

仕事上の要求の例としては、不公平さや社内政治、同僚や顧客との感情的対立など。リソースとは、たとえば一貫したフィードバックやリーダーによる支援、同僚との質の高いつながりなどだ。各組織や個人は、従業員に対して十分なリソースを提供しなければならない。

3.自分にとって効果のない考え方にとらわれている

燃え尽き症候群に打ち勝つには、自分にとって効果のない考え方と向き合わなければならない。女性を精神的に参らせる考え方として、筆者が最もよく耳にするのは次のような固定観念だ。

・私はもっと成果をあげなければならない
・いい母親は○○だ/○○しない(例えば「必ず夕食までに帰宅して手料理をつくる」)
・全部自分でできるはずだ
・なんとしてもやり遂げる(ヒラリー・クリントンもよくこの言い方をしている)。
・弱いと思われたくない

また多くの賢い女性は、自分の能力には限界があるという固定観念を持っている。生まれ持った知性や創造性、身体能力は、それ以上努力しても伸ばすことはできないと考えるのだ。その結果、こうした女性は自分にとっての安全地帯から決して足を踏み出すことがない。失敗のリスクを冒すよりも、安全第一なのだ。
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編集=森 美歩

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