9月13日、米銀行ウェルズ・ファーゴの株価は同社の不正口座スキャンダルの影響で大幅に下落。その余波でバフェットの資産額は13億ドルの下落となり、ベゾスとの順位が逆転した。米国東部時間9月14日、午後3時30分の時点でベゾスの資産額は658億ドル(約6.7兆円)と推定される。この金額はバフェットの資産を3億ドル上回っている。
ウェルズ・ファーゴの株価は13日に3%下落し、世界で最も企業価値の高い銀行としての地位を失った。同社は顧客らに隠れてニセの銀行口座やクレジットカードアカウントを開設していた事を認め、9月8日には1億8,500万ドルの制裁金を支払うことに合意していた。
バフェットがこの件で被った損害は莫大だ。彼は個人としてウェルズ・ファーゴ株を200万株保有しており、バークシャー・ハサウェイ社もウェルズ・ファーゴ社株の10%を持っている。バフェットの富の源泉といえるバークシャー・ハサウェイ社の株価は9月12日から2%近く値を下げ、バフェットの資産額は現在、655億ドル。12日時点では669億ドルだった。
ここ約1年ほどの間、ベゾスとバフェットは資産ランキングで抜きつ抜かれつの関係にある。両者はともに莫大な株式資産を保有しており、市場のわずかな変化が二人の富の価値に変動をもたらしている。
2年前には15位だったベゾス
しかし、ベゾスは寄付金の額ではバフェットには遠く及ばない。バフェットはこれまで289億ドルをチャリティに注いでいるが、ベゾスが寄付に注いだ金額はスズメの涙程度のものだ。ウォーレン・バフェットとマイクロソフトのビル・ゲイツらは2010年にGiving Pledgeという財団を設立。ビリオネアたちに富の半分を寄付するよう求めているが、ベゾスはこれに応じてこなかった。
バフェットが長きにわたり米国有数の長者に数えられてきたのに対し、ベゾスがこの地位に登りつめたのは比較的近年のことだ。バフェットはフォーブスが1982年に第1回のフォーブス400を発表した際に、資産額2億5,000万ドルでランク入りし、3年後には資産を10億ドルに増やした。バフェットは2001年以来、米国で2番目の長者としてのポジションをキープしていた。
一方でベゾスは1988年に初めてフォーブス400に登場。当時の資産額は16億ドルで、102位につけていた。彼が初めてトップ10に入ったのは昨年のことで、4位にランクインしたが、2014年の順位は15位だった。
そのベゾスが今やアマゾン株の急上昇により、ビル・ゲイツ(資産額791億ドル)やZARA創業者のアマンシオ・オルテガ(資産額769億ドル)に次ぐ世界3位の富豪の地位に登りつめたのだ。少なくとも、この原稿の執筆時点では。