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ソニー代表執行役社長兼CEO平井一夫(写真=円山正史)

イノベーションという文脈で最も多く語られる企業のひとつが「ソニー」である。平井一夫社長就任以降、新規事業創出プログラム「Seed Acceleration Program(SAP)」をはじめ、数々のイノベーションのための施策を行ってきた背景にはどのような哲学があったのだろうか。

「イノベーションの実現に一番必要なことは社員の“パッション”だ」

ソニー・平井一夫社長が「イノベーション100委員会」の会合で発した言葉はとても印象的だった。平井社長自身、ガジェット好きで、「『自由闊達』にして愉快なる理想工場の建設」という設立趣意書に共感してソニーに入社したという経歴だからこそ出た言葉であろう。

今回、平井社長に聞いたのは、イノベーション100委員会が掲げる「イノベーションを興すための経営陣の5つの行動指針」のうち2つに関することだ。ひとつは「社員が存分に試行錯誤できる環境を整備する」。

新規事業創出プログラム「Seed Acceleration Program(SAP)」は、現・新規事業創出部統括部長の小田島伸至氏をはじめとするボトムアップの活動と平井社長のトップダウンの決断により、2014年にスタート。既存事業にとらわれない新分野のビジネスアイデアを事業化するなど、成果を出している。SAPは社員のパッションを解き放つことができたのか。

もうひとつは「効率性と創造性、2階建ての経営を実現する」。平井社長が社長就任した12年、厳しい業績のなか、構造改革を早急に進める必然性があった。その一方で、平井社長は“ソニーらしい”イノベーティブな製品やサービスが出ていないことに危機感をもち、社員のパッションを解き放つための仕掛けを思考した。

効率性の向上と創造性の強化を同時並行で進めるため、平井社長は何にこだわり、経営の舵取りを行ってきたのか。平井社長の思いと行動を掘り下げていく。



ーソニーの経営者は、特にイノベーションという軸での周囲の期待値やプレッシャーが高い。一方、社長就任以降は構造改革時期。構造改革をしながらイノベーションを行うことについて、どのように考えていましたか。

社長就任した2012年、特に看板であるエレクトロニクス事業に関する危機感が強くありました。売り上げ、利益の低迷もさることながら、イノベーティブな製品、強い製品が出てきていないという強い危機感です。

とはいえ、それまで社長を務めていたソニー・コンピュータエンタテインメント(現・ソニー・インタラクティブエンタテインメント)とは、社員数も、売り上げも、市場領域も、製造拠点の数も、スケールが違う。イノベーティブな製品・サービスを生み出しながら、社員のモチベーションを上げて、ソニー全体を変えていくー。

社長就任は大きなチャレンジだと思いましたが、私自身は創業者の盛田(昭夫)さん、井深(大)さんのビジョンが好きで、その思いに共感して入社したので、機会をもらえるのなら貢献したいという気持ちでした。

就任以降は、厳しい構造改革をし、商品力を上げ、イノベーションを生み出すことを思考し、さらにそれをどう外部とコミュニケーションしていくかなど、バランスを取りながら進めていました。

その過程で重要視したのは「現場」。就任2日目に、震災で被害を受けた宮城県多賀城市の工場を視察するなど、「まず現場」と様々な場所に赴きました。組織は上にいくほど、情報がセレクティブになり、少なくなる。バイアスがかかりながら細くなるということが往々にしてあります。だから、自分で取りにいかないといけないと思っていました。

たとえば、SAPと同じく社長直轄で「Life SpaceUX」というコンセプトの商品を生み出しているTS事業準備室から製品化した4K超短焦点プロジェクターも、そうした現場視察から「この新技術とアイデア面白いから製品化しよう」と盛り上がったことがきっかけでした。

当時、「どのように種をまけばいいか」を考え続け、数多く種まきをしていった成果が、ソニーが成長フェーズになってきた現在、いいタイミングで芽が出てきたという形ですね。

文=イノベーション100委員会事務局Japan Innovation Network

 

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