パピリアの今後の見通しは不透明だ。経営難に陥った場合に緩衝材となってくれる投資家からの支援はないし、ユーザーが迅速に旅行情報を受け取れるモバイルアプリの開発も行き詰まっているようだ。だがチームはまだ諦めてはおらず、ウェブサイトのブログは更新され続けている。
問題の一部は、ターゲット層かもしれない。ハイダーは「当サイトの利用者はきわめてニッチな人々だ」と説明する。ターゲットは、ファッション志向で文化的好奇心が強く、貪欲な旅行者、そして場違いな思いをするのが嫌いな人々。ウェブサイトには、「あなたはもう、自分が旅行者だと感じずに済む」とうたい文句が記されている。
だが多くの人は自分が旅行者であると感じても構わないと思っているし、パピリアは自分たちのニーズに関わりすぎだと感じるかもしれない。旅行の準備を楽にしてカスタマイズ化された体験を提供するというサービスが、ほとんど全ての人にとって有益なものであることを考えると、残念なことだ。
ハイダー率いるチームが今後するべきは、宣伝とパートナーシップの構築にさらに力を入れること。それによって、なぜ同社のサービスが“最も無頓着な旅行者”にとっても素晴らしいものなのかを示すことだ。
パピリアの成長ペースは今後もゆっくりとしたものかもしれないが、いったん足場を固めることができれば、世界中の人がもっと頻繁に、もっと気楽に旅行するのを手助けできる可能性がある。