ビジネス

2016.08.30

旅行コンシェルジュサイト「パピリア」の課題と可能性

Africa Studio / shutterstock.com

出張でも休暇でも、なじみのない国への旅の準備は大変だ。現地の天候に合わせた服装を調べたり、到着後の計画を立てたり・・・。無作法な旅行者と思われたくない人は、文化やしきたりも調べておかなければならない。

こうした情報は、どこで入手できるのだろうか。トラベルバトラー(Travel Butler)のようなアプリは、適切な服装や人気の観光スポットを教えてくれる。トリップアドバイザー(TripAdvisor)やロンリープラネット(Lonely Planet)などのサイトは、現地の文化ついて詳しい情報を提供してくれ、移動手段の計画を立てる際にも役に立つ。

しかしこれらのアプリやサイトには“オーダーメイド式のアプローチ”が欠けている。それを提供してくれるものが、新たに登場した旅行サービスサイトのパピリア(Papilia)だ。パピリアは持ち物リストや旅程の作成、個人のスタイルに合わせた買い物の提案、それに安全や現地のしきたりに関する重要な情報の提供もしてくれる。

誕生のきっかけと初期の成長

パピリアのソフィア・ハイダーCEOは、大学で外交問題、大学院では国際開発を学び、卒業後は10年以上にわたって国際開発の分野で働いた。2012年、彼女は自分が情熱を傾けている旅行とファッションを組み合わせるべく、旅行にインスピレーションを得た高級衣料品会社エボルブミント(Evolvemint)を創業した。

パピリアは、これらの関心事に対するハイダーの新たなアプローチだが、今回は旅行により重点を置いている。狙いは、準備をより簡単にすることで人々の旅行体験をより良いものにすること。そして彼らが海外でもっと自信を持てるように、専門知識を提供することだ。

ハイダーは2015年のはじめ、ノースカロライナ州ローリーにあるビジネスインキュベーター、シンクハウス(ThinkHouse)を“卒業”した後にパピリアを創設。以降、ハイダーが率いる“文化大使”チームは、50組の顧客の旅程を作成。ニュースレターの購読者は500人に達している。

顧客からのフィードバックはきわめて好意的なものだが、パピリアの成長ペースは遅い。チームは、サービスのカスタマイズ化と顧客保持力の分野にチャンスが秘められており、旅行業界の他の企業と提携することが成功の鍵だと理解している。旅行者を引きつけたいと考えているホテルや旅行代理店、商工会議所にとって、パピリアは利益をもたらす存在になる可能性がある。

ハイダーの次なるステップは、地元企業とのパートナーシップを築き、パピリアを宣伝して顧客ベースを拡大することだ。
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編集=森 美歩

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