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企業家、テクノロジー、ビジネスをカバーするジャーナリスト。

Photo by Imeh Akpanudosen/Getty Images for Geoffrey Kent

最近では、財力のある人たちが世界各地の野生が残る場所を目指して豪華な旅をするのは珍しくない。だが、ジェフリー・ケント(73)が1960年台にケニアで事業を始めたときには、状況は全く異なっていた。野生を満喫するなど、ばかげたことだと思われていた。

ケントが経営するラグジュアリー・トラベル専門の旅行会社、アバクロンビー&ケント(A & K)は昨年、売上高6億ドル(約737億円)を達成した。ぜいたくな冒険旅行を世界各地で満喫できる、高級ツアーを販売している。

同社はこれまで、「眼識のある」顧客たちにエキゾチックな旅とサファリツアーを提供してきた。顧客には、ビル・ゲイツ、CNN創業者のテッド・ターナー、映画プロデューサーのジェフリー・カッツェンバーグ、英俳優のリチャード・バートン、そして英王室メンバーなど、豪華な顔ぶれが並ぶ。同社のツアーは大半が1人当たり1万ドル(約123万円)から。期間が25日に上る最も豪華な世界一周ツアーは、同13万5,000ドル(約1,660万円)からとなっている。プライベートジェットで、世界中のエキゾチックな場所を周る旅だ。

ケントは1日100ドルの料金で、四輪駆動車でケニアの平原をめぐるツアーを専門にしていた創業時から、事業を拡大し続けてきた。回想録の出版を機に応じたフォーブスの取材で先ごろ、起業の神様が自分に微笑んでいると感じた幾度かの瞬間などについて語った。

ロックフェラーとの出会い

ケントは1967年、より有力な人物の支持を得ようと、当時チェースマンハッタン銀行の頭取だったデビッド・ロックフェラーをニューヨークのオフィスに訪ねた。最初は面会を断られたが、3度目でやっと話を聞いてもらえた。その後、頭取はA & Kを通じてアフリカ旅行に出かけ、1972年には国際通貨基金(IMF)の関係者120人のツアーを申し込んだ。案内役を務めたケントは、それが自社にとっての大きな分岐点になったと話した。

エジプトとインドでの経験

1981年にエジプトのアンワル・サダト大統領が暗殺されたとき、多くの人が同国への旅行は危険だと考えた。だが、ケントはカイロに出向いて観光省を訪問。「世界中がエジプト旅行をキャンセルしている。今こそ、あなた方には外国の旅行会社が必要だ」と訴えた。エジプトを観光地として宣伝することを条件に、ケントは外国人ながらも同国で旅行業を行う認可を得たのだった。

A & Kは1994年、インドで同社史上最大といえる危機に見舞われた。横領などの不正行為が発覚したことを察知した従業員やガイドらが、証拠を隠滅するため事務所に放火。これにより、同社は100万ドル近い損害を被った。ただ、すでにクリスマス休暇の予約を受けていたため、ケントらは休業せずに高級ホテルに仮事務所を設置し、繁忙期を乗り切った。

ワーカホリック

ケントは自身のキャリアを振り返り、新しい旅行のあり方の確立に夢中で取り組んできたことが、自らの成功につながったと語る。ベッドの横には今も、夜になってから浮かんできたアイデアを書き留めた付箋が大量に貼り付けられている。さらに、今でも常に、新たな機会に目を光らせ続けている。

ケントによれば、起業は「大抵の場合、純粋に直感がものを言う」。「起業家は、教育を受けてなるものではないと思う。間違っているかもしれないが、起業家は生まれながらに起業家なのだろう。大学を卒業せずに起業する人は大勢いる。ビル・ゲイツもそうだ。すでに自分の中に、自らをかき立てる何かがある。スティーブ・ジョブズもそうだ。彼らは自信に満ち溢れ、ビジョンを持っている。そのビジョンが正しいことを知っていて、彼らはただそれを実行に移すほかないのだ」。

編集 = 木内涼子

 

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