「売上の9割は日本」のガラパゴス状態
LINEの2015年の売上高は前年比40%増の1,200億円で、着実に成長している。しかし売上高の拡大と、親会社の韓国インターネットポータルNAVERの支えにも関わらず、LINEはこの3年のうち2回赤字を計上し、昨年は76億円の純損失を出した。
LINEの収益は、自国のマーケットに大きくに依存するガラパゴス状態だ。ユーザーの半分以上は日本以外で獲得しているが、売上高の90%近くは日本マーケットで稼いでいる。
ケントは「日本は昔からモバイルファーストであり、日本人ユーザーは世界のどの国のユーザーよりも、モバイルコンテンツに金を使う。今後、LINEの海外ユーザーは増えるかもしれないが、日本のように有料サービスを使うことは期待できない」と分析する。
また、LINEはユーザー数で競合らに大きく後れを取っている。中国のテンセント(騰訊)が運営するWeChatは7億6,200万、フェイスブックメッセンジャーとWhatsApp(ワッツアップ)はそれぞれ約10億のユーザーを擁する。
LINEはIPOで調達した13億ドルを、国内外の事業拡大に使う計画を立てている。LINEは2014年夏にもIPOを申請し、当時の目標時価総額は100億ドル超だった。しかし、IPOを先送りしている間に、グローバルマーケットの乱気流に飲まれてしまった。世界の投資家らは、その価値をどう見積もるか。今回の上場に大きな注目が注がれる。