Q9:女性だったことでハンデはありましたか?
ありがたいことに、私は女性であることをハンデに感じたことはありません。もちろん男女は違いますが、それは性別ではなく、個体差だと思っています。私の背が低いことも、体力がないことも、女性だからというよりは、私の特徴のひとつ。体力がないと、頑張りで乗り切るには限界があるので、仕組みを作らないといけません。人間の頑張りに頼るよりも、仕組みを作る方が継続性があります。
24歳の頃、製造してくれる工場を探して工場を回る私に「お嬢ちゃん、こっちは遊びじゃないんだよ」と言われましたが、内容ではなく、見た目や性別で評価をする人を見抜くためのフィルターにもなり得ると考えれば、これはメリットなのではないかと思います。
Q10:逆に、女性だから得したことはありましたか?
得したことはたくさんあります。私が作ったピアスキャッチは、ユーザーは主に女性なのに、業界は男性社会で今まで「ピアスはなくしやすい」という認識がありながら、解決されてきませんでした。その問題を、図面が好きで起業したい私が解決しようと思えたことは、女性でピアスユーザーだったからです。
そして今回のように、「女性◯◯」という企画に取り上げていただけるという機会をいただけること自体もラッキーです。なんでも、人数が少ないニッチな領域というのはとても得なのだと思います。
Q11:人間関係で気をつけていることはなんですか?
当たり前ですが相手を尊重し、信頼すること。専門分野はプロに任せ、相手の土俵に近づく努力はしても、自分がその土俵に上がって荒らすことはしないことです。
例えば、弊社には出荷担当のスタッフがいて、想定外の出荷があった際には、私はそのスタッフの指示に従う作業者に徹します。そこで自分がリーダーシップを取る必要は皆無で、毎日やっている彼女の方が的確な指示ができるのです。
私にとって重要なのは、好きな人と仕事をすること。すると、その人が最大限頑張ってくれたんだからと思えます。
Q12:あなたを今一番モチベートさせているものは?
落ち込んだ時には娘と息子の動画を見て癒されます。今は私の仕事を理解してくれなくても、子供達が成長したときにそれぞれの幸せを選べるよう、私自身が“自分らしく幸せに生きる”ということをキチンと形にしたいと思っています。