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2016.07.15 17:00

「ピアスをなくす」ストレスをなくしたい[ウーマン・イノベーターズ 01]

クリスメラの菊永英里 代表取締役

クリスメラの菊永英里 代表取締役

自らが輝ける仕事を見つけ、最前線で活躍している女性は一体どんな人たちなのか? 起業家、組織のリーダー、フリーランスにアーティスト。職種やフィールドは異なれど、共通する原体験やビジョンがあるかもしれない。または、共感を得ないほど個性的だったから成功したのかもしれない。そんな秘訣を探るべく、業をなしている女性に“同じ質問”をしていく連載「ウーマン・イノベーターズ」をスタート。第1回は、「電車に乗らない人生にしたい」と高校時代に起業を決意したクリスメラの菊永英里社長が登場です。

Q1:現在のお仕事について教えてください。

ロック式ピアスキャッチの製造卸売販売。ピアスは誕生してから5,000年以上経つにもかかわらず、紛失率はいまだ8割以上です。その問題を解決するため、2005年にロック式ピアスキャッチの開発をスタートし、2008年に発売を開始しました。

「世界のピアスユーザーを紛失のストレスから解放する」ために奮闘しています。2015年には専用のバックピアスパーツを開発し、ロックの安心にデザインをプラス。ピアスをシーンに合わせてもっと楽しめる未来を創りたいと考えています。

Q2:今のお仕事を選んだ理由はなんですか?

私は海外で育ち、送り迎えは親の車という生活でした。16歳の時、初めて一人で電車に乗ろうとしたのですが、ラッシュ時ということもあって乗れずに泣いて帰りました。立ち尽くす私の横を慣れた様子で小学生の女の子が乗っていくのを見て、自分は普通にできることができないのだと知り、今後どのように生きていけばよいのかと思いました。

しかしその時ふと、「電車に乗れないなら、乗らなくていい人生を送ればいい。起業家になればその人生を作れる」と思い、起業家になることに決めました。

起業をするにはどんなビジネスがいいのか考え始め、アイデアができては父に提案し、はねられる日々を9年出し続けました。そして24歳の時、彼からもらったピアスをなくしたことをきっかけに「私が悪いのではなくて、ピアスキャッチが悪い」と考え、ロック式ピアスキャッチの図面を書き、製造先を探し始めました。

ピアスキャッチは専門店を作るのではなく、ピアスを販売している店舗に扱ってもらうのが一番。「世界中の宝飾店に置いてもらえる商品にしたい」とビジョンを描き、これ以上理想的な商品はないと思いました。試作を繰り返して特許を取る段階まで進め、父にプレゼンをしたところ「海外の特許もおさえて、世界を狙いなさい」と初めてOKがでました。

Q3:これまでのキャリアの経緯を教えてください。

2003年、ITベンチャーに営業として入社。「3年企業勤めをして起業する」と決めていたので、その間に何を学ぶかが重要でした。営業での採用でしたが、その才能のなさとストレスで挫折。3年乗り越えたとして起業にはつながらない、営業は雇えばいいと考えました。

同時に、起業後に「雇用ではまかなえず、私がやらなければならないこと」は経営に関わる判断やマインドだと考え、新卒でそれを学べる場として役員秘書に志願しました。その後、新規立ち上げの経験を希望して担当の部署へ異動。3年半勤務して、退職。半年の準備期間を経て、2007年7月にクリスメラを設立しました。
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文=フォーブス ジャパン編集部

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