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2016.06.20

フェイスブックとマイクロソフトがクラウドを「海に沈める」計画で提携

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クラウドは大規模かつ多様性に富んだビジネスだ。調査会社ガートナーの予想によれば、パブリッククラウドコンピューティング部門は2016年、2,040億ドル(約21.7兆円)に成長する見通しだ(2015年から16.5%の拡大)。

現在、市場のリーダーはアマゾンウェブサービスで、2016年の売上予想は約100億ドル(約1.06兆円)。つまりAzureやIBM、アルファベットなどにも、パブリッククラウド事業の成長を達成する十分な市場スペースがあるのだ。

マイクロソフトとフェイスブックが敷設するケーブル“Marea”は、家庭の庭で使うホース程度の太さしかないが、通信容量は秒速160テラバイトとかなりのものだ。現在、米欧間の海底ケーブルの通信容量は約337テラバイト。2017年にMareaが稼働すれば、「この1本で、今ある全ケーブルのほぼ半分の通信容量を増やすことができる」とモールディンは言う

しかしそれには難題もある。欧州司法裁判所は2015年、米企業が米欧間で無制限にデータ移転を行うことを可能していた“セーフハーバー協定”を無効とした。それに代わる仕組み“プライバシーシールド”では、EU加盟28か国それぞれが、データ移転について米企業と個別交渉を行うことができるよう定められている。

クラウドコンピューティングという言葉からは、海底にケーブルが張り巡らされている光景をイメージしにくい。だがこうしたインフラは、手の込んだユーザー向けソフトウェアと同じくらい重要だ。

クラウドの“アキレス腱”である待ち時間の問題を解決してくれるのが、ケーブルやデータセンター、ITサービスプロバイダなのだ。そして、まだ“若い”同部門は、バリューチェーン全体を通して投資機会に満ちている。

編集=森 美歩

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