女性のためのIoT「スマート・タンポン」を専門家が批判

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女性の悩みを解決するウェアラブルデバイスが注目を集めている。マイフロー(my. Flow)というスタートアップ企業が発表したこの端末は、タンポンの経血吸収量を測定しユーザーに残りの吸収可能量を知らせる。

英紙「ガーディアン」によれば、タンポンには細くて長いプラスチックコードがついており、それをブルートゥース内蔵のウェアラブル端末(クリップでウェストに留める)に接続し、スマホでタンポンの交換時期が確認できる。これで「新しいホワイトパンツに血が滲むという最悪の事態」を防ぐことができるという。製品は2017年に発売を予定し、価格は約49ドルになるというが、専用タンポンに関しては生理用品大手と組み、従来のものより1箱あたり数ドル高い程度の値段に抑えたいとしている。

生理をタブー視する文化を助長?

ガジェット情報サイトのギズモードは「どんなタイプのタンポンが自分に向いているかが分からない、タンポン初心者にはこの製品が役立つかもしれない」としている。スマートデバイスに慣れ親しんだ10代の少女らは「スポーツタイプ」や「多い日用」など、どの製品を選ぶべきかの目安としてこのデバイスを活用する可能性もあるという。

しかし、このデバイスに異議を唱える専門家もいる。月経周期の研究を行なうChristina Bobel教授は「この製品は従来の生理用品よりもコストが高いだけでなく、生理に対する社会の認識の在り方を考える上でもマイナス面が大きい」とガーディアンのインタビューで述べた。

「この製品は、生理をタブーと考える文化を助長することにつながります。生理を厄介な問題と捉え、テクノロジーによってそれを解決するために、この製品を買わないといけないという意識を引き起こすのです」と教授は述べている。

筆者個人としても、女性がこのようなデバイスに頼らず、失敗を繰り返して得る生身の経験に価値があると考える。一人で悩まず、経験者に尋ねることもできる。デバイスは、いざという時に電池切れになることもあるのだ。

生理が始まったときは誰でも不安に思ったり恥ずかしく感じたりするものだ。しかし、そのような時期を乗り越えて女性は自分を受け入れ、大人へと成長していくのだ。

編集=上田裕資

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