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The Washington Post / Getty Images

エストニアの首都タリンのStarship Technologiesで働くスタッフは、ほかのオフィスと同様にランチにピザを注文する。しかし、他のオフィスと違うのは、人間ではなく背丈2フィート(約60センチ)、重さ40ポンド(約18キロ)の自動運転ロボットにそれを運ばせる点だ。

ロボットにはセンサーと9つのカメラが搭載され、オフィスのスクリーンからピザが配達されるまでの様子を確認できる。画面でロボットがピザショップに着いたことを確認し、ボタンを押すと、お金やピザを入れるスペースの扉が開く。

StarshipのCFO、アラン・マーティンソンによると、同社はロンドンやベルリン、タリン、米アーカンソー州の路上で15体のロボットをテスト走行させているという。

一配達あたりのコストは1ユーロ

ロボットはアイアンマンのヘルメットを伸ばしたような、なめらかで未来的な外観をしており、親しみやすい印象を与えるようデザインされている。ロンドンの街角では、走行しているロボットを見た通行人が、未来の乳母車のようだと感想を語っていた。

オペレーターはStarshipのタリン本社でロボットの走行をモニタリングし、4体まで操作できる。ロボットは自身で500メートル移動できるが、道路を渡る時や障害物をよける際には人間が数秒間操作しなければならない。ロボットは走行しながら、宅配ボックスや信号の場所を学習していく。

ロボットを完全に自動化しようとすれば、想定される障害物の全てを認識するためのアルゴリズムを構築する必要があり、膨大な時間と費用がかかる。しかし、Starshipは人間がモニタリングすることで、人間の宅配スタッフに残業させるより割安なロボット宅配が実現できると考えている。

ロボットが新しい道を覚え、ルートに習熟するにつれて(彼らは地理を完全に覚えるために道を5回行き来する必要がある)、コストはさらに下がる。マーティンソンは「1人のオペレーターが100台のロボットを監督するのが、最も低コストな自動運転技術の活用方法だ」と語った。

Starshipは今年後半に欧米の大手小売業者5、6社と契約を交わす予定で、一件は6月初めにも発表されるという。
「第2四半期には最初の売り上げを計上できる見込み」(マーティンソン)で、同社は今年末までにロボット100体を1体3,000~5,000ユーロ(約37~55万円)で製造する計画を立てている。

ロボットは人が歩くのと同じ速さで、半径3マイル(約4.8キロ)以内の範囲で物を運び、30分以内で注文者の玄関に到着できるという。創業者のアハチ・ハイヌルによると、注文者への玄関先に届けるコストは平均1ユーロ(123円)で済む。

ロボットはこれまで道路を3,600マイル(約5800キロ)走行し、13万人とすれ違ったという。「ほとんどの人はロボットを全く気にしていない。事故や荷物の紛失もない」と、マーティンソンは自信を見せた。

Starshipは米国で今年後半、ロボットの操縦者を採用し、2017年に宅配サービスを本格スタートする予定だ。それまでに配達網を構築できるのか、計画は多少楽観的にも思えるが、少なくとも宅配ロボットはこれからもタリンでピザを運び続けるだろう。

編集=上田裕資

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