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elbud / shutterstock

フェイスブックはこのほど、規約に違反する銃やドラッグなどの売買を通報する機能をようやく実装した。同社が今年1月にサイト上での個人の銃器売買を禁止して以降、銃規制を訴える団体らが自主的に取り締まりを行っていたが、これまでは違反する投稿やグループを発見しても「嫌がらせ」か「暴力の脅威」として通報するしか手段がなかった。

これでは違いが明確でない上、フェイスブックの担当者にとっても違反コンテンツであることを見分けることが困難な状況となっており、団体らはフェイスブックに対応を求めていた。

銃のセールが横行するフェイスブック

現状、フェイスブックは銃の売買の監視をユーザーに100%依存しており、今回の新ツールの実装によって取り締まりが強化されると見られている。「Everytown」や「銃規制を求めるママの会(Moms Demand Action for Gun Sense in America)」など、銃規制を求める団体が新ツールの存在に気が付いたのは5月初旬のことだったという。これらの団体によると、これまでフェイスブックに通報して閉鎖に追い込んだ違反グループの中には、しばらくして復活したものが少なくないという。

この数か月間、フェイスブック上では銃売買の「プライベート・セール」が横行し、問題視されていた。「違反グループの通報は、梱包に使うプチプチをつぶしているようで最初は楽しかった。しかし、通報後にそのグループが閉鎖されたかをしっかり確認するべきだった」と銃規制を訴える活動家の一人であるチャーリー・ギャリハーは言う。

フェイスブックの広報担当者であるジョディ・セスは、個人の銃売買を禁止した直後の2月から新ツールの提供を開始したとしているが、幅広く利用可能になった時期については明らかにしていない。また、新ツール実装後の通報量の増減についても、まだ分析を行っていないという。フェイスブックに届く違反コンテンツの通報は毎日約100万件に上るというが、その内どれだけの割合が銃売買に関するものなのかはわかっていない。

フェイスブックが個人の銃売買を禁じた背景には、「銃規制を求めるママの会」などの団体による激しいロビー活動がある。これまでフェイスブックが個人間の銃売買の温床になっていたことは周知の事実で、同社幹部らは非公式の場では銃売買に関与したくないと述べていた。しかし、1月に規約を改定した後も、銃売買は収まる気配を見せていない。

フェイスブック社員にも銃マニアがいる

その要因の一つが、フェイスブックでエンジニアリング部門のシニアディレクターを務めるチャック・ロッシの存在だ。熱心な銃愛好家であるロッシは、閉鎖されたグループを復活させる支援を行っている。彼は規約変更の約1か月後に全米の銃愛好家ページの運営者たちに働きかけ、フェイスブック上に「Admin Contact」という秘密グループを立ち上げさせた。このグループでは、メンバーらがページを閉鎖された怒りを爆発させたり、規約に適合させて復活させるサポートを行っており、実際に多くのページが短期間で復活を果たしている。フォーブスの調査によって、これらのグループの中には、復活後に再び銃売買を行っているケースがあることが明らかになっている。

Admin Contactの運営者の一人でロッシと親しいアーロン・ミラーは、銃愛好家向けのフェイスブックページを運営する上での注意点や、閉鎖処分を受けた場合のFAQや対処法を詳細に記した文章を投稿した。これが功を奏し、ミラーによると閉鎖されたグループの約80%が復活したという。これらのグループの中には、復活度に再度通報されて閉鎖に追い込まれたものもあるという。

このように、フェイスブックが取り締まりを強化しても、銃売買は衰えることなく続いている。「サクラメント銃愛好家グループ(Sacramento Gun Enthusiasts group)」が良い例だ。これは他に何千とあるグループと同様に、銃オーナーが銃や銃弾の直取引を行うための非公開グループだ。登録メンバー数は800名を超え、ページ上では毎日銃器販売に関する投稿が掲載され、購入希望者たちが売り手に質問をしている。例えば5月17日には、「グロック17」というセミオートのハンドガンが売りに出されていた。売り手は、ページ上に投稿をして多くの購入希望者を集めた後、メッセンジャーアプリを使って他から見えないように個別交渉や金銭の授受を行っている。

フェイスブックにより閉鎖に追い込まれたグループの多くは、復活後にグループの公開設定を「秘密」にして、外部から見えないようにして取引きを継続している。以前のように「非公開」であれば検索ができ、メンバー以外でもコンテンツの一部を見ることができた。しかし、「秘密」に設定されてしまうと検索に引っかからず、コンテンツを一切見ることができない。フェイスブックが取り締まりをユーザーからの通報に依存している限り、「秘密」グループの対策をどこまで講じられるかは不明だ。


編集=上田裕資

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