これに先立ち、スーパーマーケット大手のウォルマートがオンライン注文のピックアップ・サービスの大幅拡大を発表。同業のクローガーも“クリックリスト”と称する同様のサービスを急速に拡大している。
これらの小売業者は皆「オムニチャネル」型のアプローチを推進し、アマゾンとの競争において、実店舗を戦略的資産として活用しようと試みている。アマゾンはプライム ナウ・サービスを通して、注文を受けた商品の即時配達に重点を置いている。
「バイ・オンライン、ピックアップ・イン・ストア(BOPIS)」、「クリック・アンド・コレクト」など、サービスの名称はさまざまだが、実店舗型の小売店にとって、顧客に即座に商品提供や在庫確認のサービスを提供できるという考え方は、オンライン店舗に勝つ方法として魅力的だ。それでもその実行可能性や収益性、生産性については疑問が残る。
■実行可能性
オンラインで購入し実店舗でピックアップするスタイルは欧州の複数の市場、特にフランスとイギリスで大きな成功をおさめている。だがeコマースの市場はどこも発達の仕方が異なり、米国も例外ではない。
これまでのところ、米国では自宅への配達の方が選択肢としてずっと好まれるようだ。CVSでは、顧客はまだ実店舗でのピックアップ・サービスを利用したいかどうかがまだ分かっていないのだと主張する。
■収益性
大きな問題だろう。カーブサイドの当初モデルは、ソフトウェアで注文指示を受けた専任スタッフが商品を顧客の車まで運び、カーブサイドが売上の一部を得るというもの。顧客にとってはいいが、経済モデルとしては、特にピーク時以外の営業時間(小売業界にはよくある)が厳しい。経済的に成立させるには、まず強い需要が必要だ。