ビジネス

2016.04.25 11:00

ネットで注文、店舗で受取 米小売にみる課題


■生産性
小売店側の生産性そのものも考える必要がある。私は実店舗ピックアップ・サービスの“まずい例”を経験したことがある。そうした店舗には、訓練を受け自分の役割を把握している専任スタッフがいない。また、顧客がどこに行けばいいのか、効果的かつ適切に商品を保管しておく(冷蔵・冷凍品の適切な管理を含む)エリアをどこにするのかについての明確な情報伝達が行われていない。

また、店舗内のシステムについても、商品の在庫の有無だけではなく、その所在も分かるよう調整が必要だ。既にスタッフが少ないなか、各店舗はさらにピックアップ・サービスのためにこうした機能を果たさなければならないが、CVSの場合はキューブサイドの持つテクノロジーが競争上の優位性になり得る。

実店舗ピックアップ・サービスは、表面上は素晴らしいものに思えるが、掘り下げるとさまざまな複雑な要素が絡み合っている。サービス導入によって、顧客を引きつけることはできるのか?

その可能性もある。だがこれもまた、顧客のニーズを置き去りにする取り組みとなる可能性もある。

編集=森 美歩

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