「データ復旧」で社会を変える
オースティン・マッコード Austin McChord(30歳)
DATTO創業者 (2015年選出)
中小企業向けのデータ復旧専門スタートアップ「DATTO(ダット)」は、2007年にマッコードの父親が経営するエンジニアリング会社の地下室で産声を上げた。現在は550人を超える従業員を抱え、数千社にデータを瞬時に復旧させる堅牢なデータ保護サービスを提供し、売り上げは1億ドルを超えるまでに成長した。
顧客には著名な政治家もいる。公務に個人のメールアカウントを使ったことが問題視されたヒラリー・クリントンの個人メールサーバーを、DATTOがバックアップしていたと15年10月に発表(マッコードは、エンドユーザーが誰であるかは把握していなかったと発表した)。
翌11月には資金調達のBラウンドで7,500万ドルを手に入れた。このユニコーン企業をさらに成長させるため、マッコードが特に気にかけているのが自社の企業文化。「なぜなら、ただ働くだけなら、画期的な成果を生み出すことなど不可能だからです」
IPO後も進化続けるクラウドの雄
アーロン・レヴィー Aaron Levie(30歳)
Box共同創業者 (2012年選出)
レヴィーは今も、2005年に立ち上げたクラウド・ストレージとその関連サービスを提供する「Box(ボックス)」のCEOに君臨する。15年1月に上場を果たし、共同創業者のディラン・スミスと証券取引所の鐘を鳴らした。株式公開までは上場延期や急な資本調達などトラブル続き。しかし現在の株価は1年前と同水準の1株14ドルで取引され、時価総額は17億ドルにのぼる。
レヴィーは株式市場を「ジェットコースターのようだ」と語る。上場を果たすとサウスウェスト航空といった大手企業を取り込み、ストレージをパッケージ商品へ進化させ、業務用アプリの開発プラットフォームを整備した。IPOに後悔はないとレヴィは言う。
「上場企業であるメリットは大きい。非上場企業のバリュエーションがとやかく言われていますが、自社の株の価値や財務状況を把握しやすい。今のシリコンバレーでは重要なことです」。