ビジネス

2016.04.15

フォーブスが選んだ「30アンダー30」、4人のカリスマ起業家

[左から]シェーン・ラッド Tinder CEO、ミシェル・ファン IPSY創業者、オースティン・マッコード DATTO創業者、アーロン・レヴィー Box共同創業者 (photographs by Jamel Toppin)

フォーブスが世界をリードする若手起業家やリーダーを選出し、毎年発表するリスト、「30アンダー30(30歳未満、有望な若者たち)」。過去の受賞者の中でも輝き続けるオールスター4人の今を取材した。

200億人のキューピットが復活

シェーン・ラッド Sean Rad(29歳)
Tinder CEO (2014年選出)

毎日、960万人が利用し、100億カップルを成立させた出会い系アプリTinder(ティンダー)とショーン・ラッドの関係は少し複雑だ。ティンダー創業者のラッドは2014年、株式の過半数を握るIACにCEOの座から引きずりおろされた。ただ、ラッドは、会社を飛び出さず製品担当の責任者として残る決断をした。

15年3月にベテラン経営者のクリストファー・ペインがCEOに就任したが、半年ももたずラッドがCEOに返り咲いた。11月にはティンダーやマッチ・ドットコム、オーケーキューピッドなどIAC傘下の45ブランドからなるマッチ・グループが米ナスダックでIPOを実施。その後、ティンダーの株価は約20%上昇し、現在の時価総額は35億ドル弱になっている。

「ティンダーの新規ユーザーになる独身者の波は途切れません。この巨大なマーケットに力を注ぐ当社には、世界有数のテクノロジー企業に発展する可能性があります」

評価額5億ドル以上「コスメのカリスマ」

ミシェル・ファン Michelle Phan(28歳)
IPSY創業者 (2015年選出)

「メイク術の動画」でYouTubeのスーパースターになったミシェル・ファンが目指すのは、美の象徴だけでなくユニコーン企業のトップ。ベトナム移民の娘であるファンは15歳で自分の夢をブログに書き込んだ。2011年になるとYouTubeの人気を引っさげて、定期発送型コスメビジネス「IPSY(イプシー)」を始めた。

現在の利用者は150万人で15年の予想売り上げは1億5,000万ドル超。9月に調達した1億ドルを加えるとバリュエーションは5億ドルを超える。13年にはカリフォルニア州サンタモニカにスタジオをオープン。「成功させてくれたコミュニティーへの恩返しです」とファンは言う。イプシーに選ばれた美容のエキスパートならここでコンテンツを無料で制作できる。

12年、美容関係のコンテンツ・クリエイターやブランドが結集するイベント「Generation Beauty」をロサンゼルスとニューヨークで開催した。今年は4都市に拡大する予定だ。

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ミゲル・ヘルフト = 文 ジャメル・トッピン = 写真 徳田令子 = 翻訳 山下祐司 = 構成

この記事は 「Forbes JAPAN No.21 2016年4月号(2016/02/25発売)」に掲載されています。 定期購読はこちら >>

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