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2016.04.10 13:01

「未来のビル・ゲイツ」15名 超小型衛星の先駆者ほか

[左]ユーリン・カペール SPIRE GLOBAL共同創業者[中央]マーセラ・サポーン HELLO ALFRED共同創業者[右]アニー・ローレス SUJA JUICE共同創業者 (photographs by Jamel Toppin)

フォーブスが世界をリードする若手起業家やリーダーを選出し、毎年発表するリスト「30アンダー30(30歳未満、有望な若者たち)」。今年は20分野から各30人、合計600人が選ばれた。今回はその中から注目の15人をピックアップ。カテゴリー別に紹介する。

ワインボトル型衛星で世界の海を見る
ユーリン・カペール (27) / SPIRE GLOBAL 共同創業者


2012年に創業した「Spire Global(スパイアグローバル)」はワインボトルほどの超小型衛星を利用し、海を監視する。グーグルなどの巨大企業や数々のベンチャーが参入する宇宙産業は熱気にあふれているが、同社の視点は異なる。

「世界の4分の3も占めるのに、誰も見向きもしない海に特化しているのです」とカペールは語る。サンフランシスコとグラスゴー、シンガポールに事務所を構え、これまでに6,500万ドルを調達。超小型衛星から集めた気温と気圧のデータや地球上の画像が活躍するエリアは幅広い。天候の把握や気象予報から船舶による貿易や物流の管理、不法漁業や海賊対策にまで応用できる。

13年の打ち上げ初成功からすでに8つの衛星を軌道上に送り、15年の衛星の打ち上げ成功で民間企業としてはじめて気象衛星ネットワークをつくり上げた。このインパクトは、はじめてクラウドファウンディングで衛星を打ち上げた企業という称号より格段に大きい。

“自分の時間”届けるミレニアル世代用執事
マーセラ・サポーン(29) / HELLO ALFRED共同創業者


前職はマッキンゼーのコンサルタントだったサポーンがハーバード・ビジネススクールの同窓生であるジェシカ・ベックと共に、日常生活に関わる“雑務“を引き受ける「Hello Alfred(ハローアルフレッド)」を創業したのは2014年。

「自分にとって本当に意味のあることに時間を使ってほしい」とサポーンは語る。物心ついたころからインターネットやITデバイスに囲まれたミレニアル世代をターゲットにアプリを使い、週32ドルの料金設定で、社名の由来にもなったバットマンに忠実な執事アルフレッドにも負けないサービスを提供する。

執事は家事や買い物などを代行し、部屋やキッチンはピカピカに洗濯かごは空っぽにしてくれる。ボストンとニューヨークでサービスを提供する同社は、14年だけで有数のベンチャーキャピタルから1,250万ドルを調達。同年にサポーンとベックは革新的なスタートアップに与えられるTechCrunch Disrupt SF賞を女性として初めて受賞した。

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キャロライン・ホワード = 文 ジャメル・トッピン = 写真 徳田令子/アシーマ = 翻訳 山下祐司 = 構成

この記事は 「Forbes JAPAN No.21 2016年4月号(2016/02/25発売)」に掲載されています。 定期購読はこちら >>

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