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Photo by Adam Berry/Getty Images

先日、中国が「世界最大のEV自動車市場になった」とのニュースが大きな話題となったが、この数字にはウラがある。中国でEV車はプラグインハイブリッドカーや単なるハイブリッドカーとひっくるめられて“新エネルギー自動車”と呼ばれるが、その販売台数に関しては疑わしい数字が並んでいる。

昨年末、中国の現地メディアは、2015年1~10月に10万8,000台の新エネ車がナンバープレートを公布されたと報じた。しかし、その2か月後に公表された2015年の新エネ車生産台数は37万9,000台に跳ね上がった。

中国では先週、多くの小都市で補助金詐欺が発覚したことを受け、政府が調査を始めたと報じた。現地から伝えられるところによると、企業は低品質の自動車を傘下のレンタカー企業に販売し、補助金を獲得しているという。

新エネ車の購入者は約5万5,000元(約100万円)の補助金を政府から受け取れる。そして、地方政府の多くも同様のインセンティブを用意している。現地メディアによると純電気バスだと4万6,000ドル(約540万円)の補助金を得られるという。加えてハイブリッド自動車も含めた新エネ車は様々な優遇政策の対象となる。

中国の都市は爆発的な自動車の増加を抑えるため、ナンバープレートの交付を制限している。上海のナンバープレート取得費用は平均1万3,000ドル(約150万円)にもなるが、新エネ車だと手続き費用を125ドル以下に抑えられる。

EVの販売台数は水増しして公表されており、ブルームバーグは「実際の販売台数は、政府の目標に届いていない」と報道している。中国政府は最近、大盤振る舞いの補助金の縮小を発表した。おそらくそれが環境に優しい車の購入よりも詐欺の動機付けになってしまったからだろう。

テスラモーターズの中国での販売を検証すると、個人にはEV車がそれほど浸透していないのが分かる。新エネ車を爆買いしているのは上からの圧力を受け、補助金に引き付けられた地方政府だ。

大規模な搾取の詳細はよくわかっていないが、中国の自動車情報サイトCarnewschina.comを運営するティコ・デ・フェイターは、「EVメーカーは低品質のEVバスやトラックを作り、傘下のレンタカー会社に売りたい値段で売っている。購入者は補助金があるので、格安で買うことができる」と説明した。フェイターによると、中国で自動車製造のライセンスを持つ企業が、それを小さな怪しい企業に転売したり貸したりすることも、よく知られた詐欺の手口だという。

政府系メディアは、詐欺のスキームは小規模都市で、小さな企業によって行われていると報じるが、より大きな組織で大掛かりな詐欺が行われているとの指摘もある。国有企業が競争相手を排除するために、政府を動かして調査させているとの噂すら流れている。

編集=上田裕資

 

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