欧州諸国の関心は、日本より中国へ

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世界が見た日本と、日本人への注文
「Forbes Japan」は2015年10月、各国版「Forbes」の編集長にアンケートを実施した。世界の編集長たちは、日本や日本企業をどのように見ているのか—。欧州各国の回答を紹介する。

▼アンケート項目
Q1 今、使っている日本製品やサービス、これから使ってみたい日本製品やサービスは?
Q2 あなたの国でもっとも成功している日本企業は?
Q3 あなたの国でもっとも尊敬されている日本企業は?
Q4 あなたの国に進出してほしい日本企業は?
Q5 あなたの国でもっとも有名な日本人経営者は誰?
Q6 2015年に日本で起きた出来事で、とくに印象に残っていることは何?日本特集をするとしたら、どんなトピックを挙げる?
Q7 「日本と日本人への注文」というコラムを執筆するとしたら何を書く?
Q8 今、アジアの中で最も注目している国はどこ?
Q9 あなたの国の『Forbes』で、日本人に読ませたい記事は?Q10 2016年の日本に期待すること
Q11 日本で訪れたことのある観光地、行ってみたい観光地はどこ?
Q12 日本の文化、風土のいいところ、悪いところはどこ?
Q13 歴史上の人物も含め、好きな日本人、嫌いな日本人は誰?
※各国版編集長の回答は、各編集長の個人的見解であり、「Forbes」及び各国版の見解を示すものではありません。


■「フォーブス ハンガリー」
マートン・ガランボス(編集長)
Q1:カメラ(キヤノン)、テレビ(パナソニック)
Q2:ハンガリーにおいて、スズキは個人向けの販売台数が最も多いため、ハンガリー人がまず最初に思い浮かべる日本企業はスズキ。
Q3:日系メーカーは通常、高品質と手頃な価格とを兼ねそろえていると思われており、ほとんどの企業が尊敬されている。中でもスズキは一番だろう。
Q7:地形的な理由から天然資源に乏しく、また貴金属も少ないことを挙げる。
Q8:韓国。友人がいるので。
Q9:2015年秋に、ハンガリーの注目すべきメーカーを取り上げた。ほかにもイベント会社や航空会社、レストラン、ファッションデザイナー、さらには世界的にも知られている動画配信サービスのユーストリームを紹介した記事は一読の価値がある。
Q11:日本には行ったことがないが、東京と富士山に行ってみたい。
Q12:良い点としては、技術面において非常に革新的で、世界に多くの技術を提供していること。また、日本人は仕事において非常に正確であると思われている。た だ、物理的に遠いため、アジアの文化や言葉を学ぶには距離を感じてしまう。また日本人は保守的で相互理解が難しいと思われており、このことが日本で外国人 が溶けこむことを難しくしていると考える。
Q13:回答なし

「フォーブス オーストリア」
ハンス・ワイトマイヤー(編集長)
Q1:あまり多くない。携帯電話はアップル、パソコンはアップルとサムスン、車はアウディだ。
Q2:ソニー(ソニー・エリクソン)、任天堂。
Q3:ソニー、トヨタ
Q4:有名かつ進出して欲しい企業は、すでに進出済み。
Q5:オーストリアでは、日本人経営者は大きな関心事ではない。
Q6:「日本のデザイン」をテーマに、記事をまとめた。
Q7:「人口統計と中国」
Q8:中国
Q9:イーロン・マスク(テスラ)のインタビュー記事。
Q10:ゆっくりだが着実な成長。中国との政治的またマクロ経済的な問題への対処。
Q11:日本に行ったことはない。どこへでも行ってみたい。
Q12:良い点は、国内情勢が落ち着いていて、技術面では依然として先進的であること。勤勉で規律のある国民性。中国市場に近いことも経済的に有利だ。悪い点は、 人口動態に関する問題、構造的に硬直化している状況、さらには政治的、経済的な野望を持つ中国の脅威にさらされていること。
Q13:個人的な好みはない。文化的なギャップがあまりに大きいため、日本人のリーダーを感情レベルで理解することは難しいというのが正直なところだ。

「フォーブス スロバキア」
ユーライ・ポルブスキー(編集長)
Q1:ユニクロの大ファンであり、無印良品も好きだ。マツダの新モデルが好きで、購入を考えている。
Q2,3:パナソニック
Q4:マツダ
Q5:スロバキアの経営者は、ヨーロッパ出身者が多い。
Q6:印象に残っているのは、主に原爆投下の記念日や安保法改正についてのニュース。日本特集では、ロボット工学、自動車産業、環境保全技術、お茶や食べ物、格闘技を扱いたい。
Q7:高齢化社会、債務対GDP比の高さ、中国との軍事的緊張、電力問題、経済問題と今後の日本の動向がテーマになる。
Q8:中国。スロバキアとの経済関係を強化している。
Q9:2015年10月の特集記事で、ウイルス対策会社ESETのCo-CEOであるリチャード・マーコが、未来のサイバー攻撃について語っている。
Q10:経済、政治の両方において中国との緊張が強まると考える。また、アベノミクスが国内消費拡大を推進することを望むが、大きな改革は期待しない。
Q11:日本には行ったことがないが、東京、京都、沖縄や、日本の田舎にも関心がある。
Q12:良い点は、勤勉で、完璧を追求し、飾り気のないところ。研究開発や技術に強く、食べ物がおいしい。課題は政治に歴史問題が関わる度合いが大きいこと。島国的な態度。女性の地位向上。
Q13:作家・村上春樹の大ファン。空手家の宮城長順、山口剛玄など若い世代の剛柔流の先生に憧れている。葛飾北斎の絵画も好きだ。

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編集 = Forbes JAPAN 編集部

この記事は 「Forbes JAPAN No.19 2016年2月号(2015/12/25発売)」に掲載されています。 定期購読はこちら >>

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