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ロボットのモデルとなったナディア・タルマン教授とナディーン (Photo courtesy Nanyang Technological University)

先日、シンガポールの南洋理工大学(NTU)に新たなスタッフとして迎えられたのは、ナディア・タルマン教授にそっくりの人型ロボット「ナディーン」だ。ナディーンは握手をしたり、一度会った人を認識したりできるだけでなく、性格や感情もあるなど、まさに最先端をいくアンドロイドだ。

NTUにおけるメディアイノベーション部門のディレクターであり、開発者のタルマン教授は、長年にわたりソーシャルロボット開発の第一人者として実績を重ねてきた。ナディーンのようなロボットは、家庭を含めた世界中の至る所で人々に代わって様々なサービスを提供できるようになると期待する。今後更に開発が進めば、ロボットが製造現場や物流の一端を担うだけにとどまらず、一対一で人の世話を任せられるようになると考えるタルマン教授は、こう続けた。

「多くの国々が少子高齢化にともなう問題へ直面する中、ソーシャルロボットは減り続ける労働力を補い、家庭では子どもやお年寄りの相棒となり、医療現場でも活躍できる大きな可能性を秘めています。」

人間そっくりの外見もあってナディーンは大きな注目を集めているが、ここ数年、ナディーン以外にもソーシャルロボットは続々と開発されている。ソフトバンクグループ、英アルデバラン社の愛らしい人型ロボット「Pepper」や、世界的おもちゃメーカーのハズブロが開発したペット型ロボット”Joy for All”は、高齢者に癒しや喜びを与えるコンパニオンペットとしてファンを獲得しつつある。

また、最近長崎のハウステンボスにオープンした「変なホテル」は、高い顧客サービスを維持したままで、ロボットを最大限活用することを目指している。まだまだ人の力がなければ立ちゆかないが、いずれ従業員の9割以上をロボットが占める日もそう遠くないかもしれない。「マツコロイド」開発者で著名なロボット工学者である石黒浩氏も、会った人を認識し感情表現もできる人型ロボットの開発に取り組んでいる。

タルマン教授は過去数十年にわたり、「バーチャル人間」が人々に身近に感じてもらえるよう様々なメディアを活用してきた。1987年には、夫であり数々の共同開発をおこなってきたダニエル・タルマン氏とショートムービー”Rendez-vois in Montreal”を製作したことでも知られる。この作品は3Dレンダリング技術と人の行動スタイルを緻密に記録し人間を複製できる独自のソフトウェアを用いて、ハリウッド俳優のハンブリー・ボガードとマリリン・モンローをデジタル複製したものだ。会場の観客はもとよりコンピュータアニメーターから大きな脚光を浴びるなど、こうした技術の先駆けとして夫妻は数々の功績を残している。

タルマン教授は今、AppleのSiri や Microsoft のCortanaなどを活用して、ナディーンのような人型ロボットが人と密に関わりながら接し方を学ぶことのできる人工知能プログラムの開発に力を注いでいる。そうしたテクノロジーの開発が進めば、近い将来SF映画に登場するような優れたロボットとの生活が現実のものになると期待する。タルマン教授は次のように述べた。

「人型ロボットは私たち人間を気遣ってくれる真の相棒のような存在です。映画スター・ウォーズに登場するドロイド C-3PO のように、言語やエチケットを理解したソーシャルロボットが誕生する日も近いでしょう」

編集 = Forbes JAPAN 編集部

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