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Willyam Bradberry / Shutterstock

人型ロボットが人間にとって身近な存在になって久しい。すでに12世紀には、トルコの発明王アル・ジャザリーがウェイトレスのような機能をもつ機械を開発していたのが知られており、それより太古の昔から中国やギリシャの思想家たちが同様のアイデアを持っていたことも記録に残っている。しかし、それらの機械のどれもが、現代の人型ロボットには遠く及ばない。先日シンガポールの南洋理工大学(NTU)でお披露目された「ナディーン」は、まさに現代の人型ロボットの最先端をいくものだ。

ナディーンは「人間のように見える」という領域を超え、まさに「人間そっくり」にできている。開発者のナディア・タルマン教授のクローン・ロボットとしてデザインされたナディーンは、柔らかい肌質や黒褐色の髪まで、どれもタルマン教授と瓜二つだ。すごいのは見た目だけではない。ナディーンには人間のような「性格」があり、一度会った相手のことを認識し、以前話していたことを忘れない。開発者によると、ナディーンには人間のように嬉しさや悲しさを感じる「感情」もあるというのだ。

ナディーンにはアップルのSiriやマイクロソフトのCortanaと同様のソフトウェアで動くため、オフィスや家庭でパーソナルアシスタントやソーシャルコンパニオンになることができる。タルマン教授は、今後ロボット開発が更に進みシリコンチップの技術が進化すれば、将来ナディーンのようなソーシャルロボットが活躍する場が一気に広がるとみている。

現実社会でソーシャルロボットを活用するというアイデアは以前からあった。欧米と異なり、日本ではロボットがアシスタントやプレゼンター、歌手、俳優、さらにはテレビの司会をすることもそれほど珍しいことではない。

今後、欧米社会で人型ロボットが受け入れられるかは未知数だが、一つ大きな可能性を秘める分野を挙げるとすれば医療現場だ。ある研究によると、外見が人間に近いロボットの活用は、痴呆患者のセラピーに効果的であることが証明された。

タルマン教授は発表した文書の中でこう述べている。「世界中で高齢化社会という新たな問題に直面する昨今にあって、ソーシャルロボットは近い将来、職場では労働力を補い、家庭では子どもや高齢者のパーソナルコンパニオンとなり、医療現場ではサービスの受け皿になることができるだろう」。

人類学者の間では、人型ロボットの活用について賛否両論が渦巻く。一方では、不満を言わず八つ当たりもしないロボットは高齢者や病人の看病に適しているという見方がある。患者の立場としても、ロボットと感情的な絆を深めるのは案外容易に感じるようだ。他方では、家族や親戚がロボットに依存しすぎると、親が忙しいときに子どもにテレビを見せるような感覚で、ロボットに自分たちの重荷をすべて背負わせ責任を放棄してしまうという負の側面も指摘されている。

編集=Forbes JAPAN編集部

 

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