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アニメ「マクロス」に登場する「バルキリー」をはじめ、様々な玩具の設計、開発から生産までを請け負う「T-REX(ティーレックス)」は、ロボット玩具やゲームのキャラクターのフィギュアまで、小規模ながら幅広い製品を手掛けている。先ごろフォーブスの取材に応じた同社の前野圭一郎取締役は、非常に興味深い話を聞かせてくれた。

我々の大半にとって、玩具の製造工程はほぼ完全に謎だ。欧米のメーカーと比べ、けた違いに複合的で高度化した日本のメーカーならば、なおさら多くの謎に包まれている。

同社が生産する製品の割合は約70%が玩具、残りが模型キットとなっており、いずれも大半は1980年台に人気を博したロボットに関連したものだ。ただ、最近はアニメやゲームのプリプロダクションにも関わるようになっているという。

設計者から購入者にまで配慮

3人の取締役の1人である前野によれば、2008年3月に創業、CADを使った玩具の設計を得意とする同社にとって、その工程の複雑さは一部に、会社の起源と仕事に対する取り組み方に起因するものだ。

玩具が完成するまでには、いくつもの段階を経る必要がある。T-REXのチームは、そのプロセスにおいて自社がどの位置づけにあるかを十分に理解している。前野取締役によると、このプロセスは大きく「着想、開発、製造、販売」の4段階に分かれる。

最初の「着想」は、玩具メーカーとライセンサーからの許可を得ると、次の「開発」段階に入り、T-REXはこの工程から関与する。玩具メーカーはまず同社に対し、製品のサイズや表現したいポイント、武器やその他の必要な小物など、細部にわたって提示する。その後、同社は可動部のジョイントも含め、玩具の外観が分かるようにCADを使って設計を行う。

メーカーのチェックを受けて必要な修正などを施し、承認が得られれば、次に試作品を作成。試作品についてはメーカーのほかライセンサーからのチェックも受ける。その後、問題がないと認められれば、この段階は完了だ。CADファイルは工場に送られ、製造がスタートする。フィードバックと修正の段階に時間がかかる場合もあるが、開発の工程にかかる期間は、平均して3カ月ほどだという。

開発段階で最も難しいのは、要求された通りの設計をするということだが、「クールさ」が重視される場合もあるという点だ。また、工場のことを考えれば、部品を複雑なものにして、組み立てを困難にしたくないとの考えも浮かぶ。

ライセンサーが何を求めているか、工場がどのようにその製品をつくり、さらには消費者がそれをどう使うかということまでを、常に念頭に置いておかなければならないのだ。

前野取締役は、変形ロボット玩具の設計は、CADなどの設計支援ソフトを使うスキルが少しあれば、誰にでも可能だと話す。だが、同社を特別な存在にしているのは、製品の外観が「クール」なだけでなく、ジョイントが適切に設計されているか、製品そのものが簡単に破損することはないかなど、必要とされる様々な要素のバランスをいかに取るかという点について、豊富な知識があるということだ。

同社の代表取締役には、子供向けのロボットからトランスフォーマーズ、マクロスまで、30年以上にわたって数多くの玩具の設計に携わってきた経験がある。つまり、そうした経験に基づく知識の全てが、同社のチームに共有可能なスキルをもたらしている。会社はいくつもの試行錯誤を経てきたが、それも成長過程の一部だと考えている。

こうした同社の総合的なアプローチや、玩具をつくるとことだけでなく購入者が製品をどのように使うかにまで配慮している点は、非常に興味深いところだ。

Part2に続く。

編集 = 木内涼子

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