2013年のディズニーの大ヒット映画『アナと雪の女王』は、興行収入約13億ドル(約1611億円)を稼ぎ出し、ライセンス商品でもほぼ同額を生み出したと推定される。だが、国際ライセンシング産業協会(LIMA)の調査によると、『アナ雪』のライセンスビジネス関わった全ての業者が、満足している訳ではないことが分かった。
LIMAの調査によると、2014年度のエンターテインメント関連のキャラクター商品の販売額は世界で累計1,072億ドル(約13兆2831億5000万円)。エンタメ分野は世界のライセンス商品のロイヤリティ総額、134億ドルの46%を構成し、ディズニー関連商品はその中で主要な地位を占めているが、調査に協力した490社の何割かがディズニー社に対し不満を述べているとのことだ。
実際のところ、『アナ雪』については良い面ばかりが宣伝され過ぎた感がある。小売業者らは店中をアナ雪だらけにしても商売が成り立った。だが、エルザとその仲間たちを売り込むことに夢中になるがあまり、せっかく好調だった他のキャラクター商品を棚から締め出す結果になったのだ。
2014年の人気テレビアニメ『ハウス・オブ・マウス』も好調な商品売上を記録した。この作品も玩具やベッドカバー、鉛筆、ランチボックス、サンダルといったライセンス商品で稼いでいる。支払いはロイヤリティベースで行われるので、ディズニーとしては商品は多ければ多いほどよい。
『アナと雪の女王』については、LIMAのアンケート回答者のひとりが答えたように 「ブランド疲れ」を発生させる結果となった。当のディズニー社は全く困らないが、販売者がアナ雪に依存しすぎた結果、他の商品を棚から追い出す要因となってしまったのだ。
ディズニーの消費財は2014年度に39億9000万ドル(約4946億円)の売り上げを記録。同社は13億6000万ドル(約1685億8000万円)の利益を計上した。出版とライセンス契約による売上は『アナ雪』や『スパイダーマン』関連商品により、前年比12%増の成長を見せ、25億4000万ドル(約3148億円)を達成している。(ディズニーの年次報告書によれば、『カーズ2』と『モンスターズ・ユニバーシティー』関連商品の売り上げ不振をこの数字がカバーすることになった)
『アナ雪』で大儲けしたディズニーが、12月公開の『スター・ウォーズ エピソード7:フォースの覚醒』で、更に売り上げを伸ばすことは間違いない。同社に史上最高の利益をもたらすライセンス商品となるだろう。この点で、シリーズ第1作から第6作までのライセンス商品のマーチャンダイジング権を取得しておいたルーカスフィルムは賢明だった。ジョージ・ルーカスはこのお蔭で大金持ちになったのだ。
LIMAは昨年、全世界のライセンス商品売上が2415億ドル(約29兆9360億円)に達したと伝えている。中でも、2014年の北米市場のライセンス商品の売上げは、前年比で14.74%増加していた。
下記にフォーブスが集計した「最も稼いだアニメ映画」リストを掲載する。
1位:『アナと雪の女王』
12億7000万ドル(約1574億3000万円)
2位:『トイ・ストーリー3』
10億ドル(約1240億円)
3位:『ライオン・キング』
9億8700万ドル(約1223億円)
4位:『怪盗グル―の月泥棒』
9億7100万ドル(約1203億7000万円)
5位:『ファインディング・ニモ』
9億3700万ドル(約1161億6000万円)
6位:『シュレック2』
9億2000万ドル(約1141億2000万円)
7位:『シュレック3』
7億9900万ドル(約991億円)
8位:『モンスターズ・ユニバーシティー』
7億4400万ドル(約922億8000万円)
9位:『カールじいさんの空飛ぶ家』
7億3100万ドル(906億7000万円)
10位:『Mr. インクレディブル』
6億3100万ドル(約782億7000万円)