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世界37カ国、700万人が愛読する経済誌の日本版

photograph by Toru Hiraiwa

―マリアさんには仕事・人生における哲学のようなものはありますか。
 人に対しても、物事に対しても真摯に向き合うことです。幼いころから物事に一生懸命取り組むように教わってきました。単に一生懸命に打ち込むだけでなく、他人と協力することの大切さ、個々人の能力や視点の尊さを教えられてきました。そして今、私が何か若い人に伝えるとしたら、何を達成するにしても「自分らしさ」を保ったまま達成することが可能だということです。お客さまのニーズ、会社の目標、株主の利益……、これらをすべて慮りつつ自分自身を失わない。つまり、求められている課題の中に自分の居場所をしっかりと見つけていくことができるのだということを、私自身が身をもって示しているのだと思いたいです。

―仕事の活力となっているのは何なのですか。
 メットライフ生命が社会に貢献する事業を行っていると本心から思っていることです。人は資産や命、生活を守っていかなければなりません。そのお手伝いができていると思っています。おそらく、このポジティブ・エネルギーが日々、私自身から周囲へ発信されているのだとも思っています。職場にいるときには楽しいですし、エキサイティングだと感じます。国や文化、性別が異なる同僚の新鮮な視点に触れることでエネルギーを貰っています。

―マリアさんのバイタリティや強い目的意識はご両親の影響が大きかったのでしょうか。
 両親の影響が最も大きかったと思います。父は3つの仕事を掛け持ちしていましたし、大学にも通っていました。母はとても賢く、ご近所や学校といったさまざまなコミュニティで非常に意欲的に活動をしていて、私にとっては専業主婦というよりも地域社会の「リーダー」のようでした。また学校では、一生懸命勉強するだけではなく、賢く勉強しなければならないことを学びました。そして賢いだけでは生きていけないこと、人脈やネットワークが重要だということも学びました。高校時代からグループで勉強することを意識的に選択していましたね。同じ課題について色々な意見が聞けることが私にとって一番の勉強でした。ですから大学も、学部の専門外の分野を積極的に学べるところへ行きました。

―次世代のリーダー育成にあたって注力されていることは何ですか。
 常にスポンサーシップやメンター制度などを通して社内外の良い人材、能力を持った若者(男女)との交流を深めています。そこで目標にしているのは、彼らに自分の持っている能力や才能を「自覚」してもらうことです。そのためには、その人はどの分野の能力開発が必要か、またキャリアの選択の可能性についても率直に話します。弱いところを克服することも大切ですが、むしろ強みを最大限活かすこと、その強みをもって最高のチームメートと組むことによって一人では成し遂げられなかったことが成し遂げられるということを理解してもらいます。

―人材に関して、今後、ビジネスを拡大していくうえで最も重視していることは何でしょうか。
 真の意味でワールドクラスの企業になるためにダイバーシティ&インクルージョンの推進に力を注いでいます。私たちはこれをビジネスとは別のものとは捉えていないことは、特に強調したいです。これは人材のみならず全ての側面で言えることで、国境やローカル/グローバルといった枠、性別や部門の枠を超越して人の「能力」を適正評価し、適材適所を徹底していくことです。グローバル・ウィメンズ・イニシアティブはその一つです。特に、中間管理職に就いている女性に対し、よりシニアな役職に就くための支援策としてDeveloping Women's Career Experience(女性キャリア体験)プログラムも実施しています。2013年以降、150人の女性がそのプログラムを卒業し、すでにその20%近くが次のレベルのポジションに就いています。今まさに、このプログラムを日本でも導入しようとしています。

―日本が推進しようとしている「女性活用」について、何か一言お願いできますか。
 職場でも家でも質の高い「対話」が鍵を握っていると思います。男女別々の人生を歩んでいるのではなく、さまざまな責任を共に背負って生きているという理解が職場でも家でも共有されていくことが非常に重要なのではないでしょうか。また個々人に決断を委ねる、個々人の価値観を尊重するということも必要だと思います。たとえば男性であっても女性であっても無条件に昇進したいわけではありません。日本でもいろいろな方に会って感じたのは、若い世代の人々の意識は確実に変化してきていることでした。すでに彼らの目からは、世界は違って見えているのです。ですから日本が変化していくことについても前向きに捉えることができるのです。


マリア・R・モリス ◎ フランクリン&マーシャル大学で学士号取得。1984年メットライフ生命入社。2000年に団体保険および福利厚生制度のセールスとサービス業務 担当のシニア・バイス・プレジデントに。10年、同社のアリコ買収にも深く携わる。11年より現職。

フォーブスジャパン編集部=インタビュー&文 平岩享=写真

 

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