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世界37カ国、700万人が愛読する経済誌の日本版

photograph by Toru Hiraiwa

「働く女性のロールモデルだと言われると恐縮してしまいます」―。メットライフ生命保険のグローバル事業部門(従業員福利厚生事業部門)を率いるマリア・モリス氏は、これまで組織の大規模な変革を率い、担当してきた部門で次々と利益を倍増させてきたイタリア系アメリカ人だ。現在はニューヨークを拠点に世界を飛び回っている。そんなモリス氏のバイタリティの秘密はどこにあるのか。

―日本市場は御社のグローバル・ビジネスの20%を占めていますが、日本における生保ビジネスの今後の展望についてどのようにお考えですか。

 我々は40年以上にわたり日本でビジネスをしてきましたが、その間、一貫して成長し続けてきました。メットライフは「カスタマー・セントリシティ」(お客さま中心主義)を戦略の軸として、常に顧客ニーズを第一に捉え、的確に把握するためのデータ収集・分析に力を入れています。日本は人口減少や高齢化などの課題を抱えており、また個々人が世代ごとに異なるニーズを持っています。緻密な分析に基づく顧客ニーズの理解を出発点として、お客さまの保障ニーズに対応する医療やがん保険等の分野に、よりフォーカスしていきたいと考えています。

―管理職に占める女性比率を30%にまで引き上げるという社内ターゲットを、今後の日本におけるビジネス戦略にどのように取り入れる予定ですか。
 グローバルに取り組んでいるダイバーシティ&インクルージョン(多様性とその受け入れ)戦略の一環として、職場における女性の活用に注力しています。その一方で、グローバルにビジネスを展開している性質上、各国の状況に即したローカルな戦略も必要です。諸外国と同様に日本でも、消費活動をはじめとして女性の社会的影響力は多大です。日本政府も女性活用を推進していますね。だからこそ今後、日本における我々のビジネスには日本女性の視点をどう盛り込むかが非常に重要になると考えています。顧客ニーズを的確に把握するためには我々もお客さまの考えを汲み取り、お客さまの立場に立って考えることが重要だということです。

―年間の半分は海外出張だそうですね。異なる国や風土、多様な視点を持った社員を束ね、チームを育てていく秘訣は何なのでしょうか。
 そうですね。私が現在のグローバル・ビジネスの役職に就いている一つの大きな理由は、私の貫いてきたモチベーショナル・リーダーシップへのこだわりがあると思います。私は自分自身がcollaborativeintegrator(連携のとれた統合を促す者)であると自負しています。これはより大きな集団・社会のニーズや関心を理解しつつ、見る目・聴く耳を持って取り組むべき課題を見つけ、チームと協力しながら具体的、かつ共有できる目標を掲げていくというスタイルです。私は日々「何が可能で、何を成し遂げることができるのか」を考えています。それを具体的なビジョンとして他者と共有できるようにし、より具体的でわかりやすい目標を掲げるために、チームで取り組んでいます。一人の力では達成できないことが、力を合わせれば達成できる。共通の目標に向けてリードできる強いリーダー・コミュニティを育成し、いろいろな人を引き合わせていく。つまり、integrateしていくわけです。こうしてコミュニティというものが新たに形成されていきます。私はどの役職でも、この手法を取り入れてきました。

―これまで数々のビジネスや収益拡大に貢献されてきたマリアさんはグローバル・ビジネスにどのように取り組まれているのでしょうか。
 すべてをやろうとせず、大事なことにフォーカスするようにしています。女性が直面している問題の一つに「スーパーウーマン症候群」があります。これは「すべてができなくてはならない」という思い込みなのですが、ビジネスでも人でも何から何まで完璧にできる必要はないのです。症候群にならないためにも、優先順位を調整し、周りの人たちと密にコミュニケーションをとることが大事です。この原則は、仕事はもちろんプライベートでも大事です。グローバル戦略といえども、必ずローカルなニーズを優先させ、各市場で成長可能な領域において「成長戦略」を打ち立てるようにしています。日本では保険料等収入では国内第6位ですが、中小企業向け従業員福利厚生ビジネスの契約件数では第1位です。これはニッチ市場戦略の一例です。
 また私の一日は早朝や深夜の電話会議までを含め、文字通り各国の人々と常につながっている状態を維持しています。これはとても大切なことです。


マリア・R・モリス ◎ フランクリン&マーシャル大学で学士号取得。1984年メットライフ生命入社。2000年に団体保険および福利厚生制度のセールスとサービス業務担当のシニア・バイス・プレジデントに。10年、同社のアリコ買収にも深く携わる。11年より現職。


以下、Part 2に続く

フォーブスジャパン編集部=インタビュー&文 平岩享=写真

 

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