最近のコフリン・アソシエーツのレポートでは、今後の非揮発性メモリーの予測とともに、出現しつつある非揮発性メモリーとスピン・ロジック・デバイスの進展について検討している。これらの進展により、この次世代の非揮発性メモリーを製造する工場建設のための新たな設備投資も起こるだろう。
このレポートで触れているメモリーには、最近発表された3D Xポイント・テクノロジーや、あまり使われていないテクノロジーとともに、PRAM、 RRAM、 FRAM、 MRAM、STT MRAMが含まれている。フラッシュメモリーは、2017年までに全てのメーカーが3Dフラッシュに移行することによって、今後数世代にわたって圧倒的なソリッドステート・メモリーであり続けるだろう。3D X-ポイント・テクノロジーがDRAMの生産に影響を与えようとしている一方で、STT MRAM はSRAMと幾つかのDRAMに影響を及ぼすだろう。抵抗変化型メモリー(RRAM)は、次の10年のいずれかの時点で、フラッシュメモリーに取って替わる可能性があるように思われる。
メモリーとストレージ・テクノロジー
STT MRAMとMRAMの能力が急速に向上していることによって、低価格となり、揮発性メモリーを非揮発性メモリーに交換する魅力を考えれば、これらのテクノロジーは、非常に競争力を持つようになる。
非揮発性メインメモリーとキャッシュメモリーへの移行は、電力使用量を直接減らすと共に、新しいパワー・セービング・モードによって、電源オフからの素早い回復を可能にし、電源が切られていても状態を維持する安定的なコンピューター・アーキテクチャーを可能にする。
レポートは、2016年には相当な出荷容量になることや、DRAMに対する相当な価格優位の予想から、3D Xポイント・テクノロジーは2020年までには、出荷容量2.25EB(エクサバイト)から5.25EBまで成長するであろう。中間予測は、出荷容量3.75EBである。 3D Xポイントの売上は、2020年までには、6億63万ドルから14億8千万ドルになると予測されている。中間予測は、10億6千万ドルである。これらの売上によって、DRAMはマイナスの影響を受け、67億ドル〜156億ドル減少する。
MRAMとSTT MRAM の年間出荷容量は、2014年の推計240TBから、2020年には15PBから35PBになると予測されている。中間予測は、25PBである。MRAMとSTT-RAMの売上は、2014年の約3億ドルから、2020年には、13億5千万ドルから31億5千万ドルになると見られている。中間予測は、13億5千万ドルである
MRAMとSTT MRAMに基づく非揮発性メモリーに対する需要の増加は、MRAMデバイスを作るための製造装置売上総額を引き上げ、2014年の推計5千880万ドルから、2020年には1億5千9百万ドルから2億9千4百万ドルに増加する。中間予測支出は、2億2千4百万ドルである。
商業用ソリッドステート非揮発性メモリーは、フラッシュメモリーだけから、ますます増えるメモリー・テクノロジーの数々を含むようになっている。これらの新たなテクノロジーによって、コンピューターのメインメモリーが、恒常的なデータ更新が必要な揮発性デバイスから、電源が切られていても内容を記憶している非揮発性メモリーへと変わっていくだろう。その結果、デバイスが、より速く低消費電力になり、より分散したアーキテクチャーと、メモリーとストレージ間の一層のデータシェアリングを可能にするだろう。