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テクノロジー、eコマース担当ライター。

A. and I. Kruk / Shutterstock

11月19日、待望の株式上場を果たした決済サービス会社スクエア。スクエア株はIPO価格から45%上昇して取引を終え、時価総額は約42億ドル(約5160億円)に達した。ツイッターのトップを兼任するCEOのジャック・ドーシーにとっては、ようやく一息つける瞬間が訪れたのかもしれないが、同社の前途には解決すべき大きな難題が待ち構えている。

スクエアは上場申請書類の中で、営業費用の中に含まれるカード詐欺被害額を公表しているが、その額は年々増加し、2015年はこれまでよりも速いペースで被害が増加している。2015年1-9月のスクエアの決済ボリュームは254億ドル(約3兆480億円)。そのうち詐欺被害額の割合は0.16%だった。スクエアが決済で得る手数料収入が数%であることを考えると、このトレンドはスクエアにとって大きな不安要素だ。

「決済会社は大量のお金を扱うため、カード詐欺被害額の割合が僅かでも上昇すると大きなインパクトを受ける」と決済会社WePayのCEO、Bill Clericoは話す。
「ビジネスを成功させる上でリスクを管理して損失を抑えることはとても重要だ」

決済処理会社らはリスクを想定してカード詐欺に対処している。スクエアは上場申請書類で次のように述べた。
「あらゆる店がスクエアの決済サービスを利用できるようにすると同時に、テクノロジーやリスクモデルを駆使して加盟店の不正を発見し、排除していく」

加盟店のチェックがうまく機能していることをアピールするため、スクエアは不正行為によってサービス提供を停止した加盟店の割合は5%未満であると発表している。しかし、今年に入ってから既に、膨大な額の利益が失われた。

同社は2014年の1Q-3Qに売上高の約3%に相当する1,780万ドル(約21億円)をカード詐欺被害額として計上しているが、2015年の同期間には、売上高の4.6%に相当する4,080万ドル(約49億円)を計上している。

何故これほどの被害が発生したのか。関係筋によると、経営陣の交代や、他のプロダクトの強化等のゴタゴタの中で、リスク管理のリソースが減ったのだという。LinkedInを確認したところ、リスク管理責任者のブライアン・スコットは2014年7月に異動となり、マーチャント向け融資事業の「Square Capital」のトップとなったが、現在は既に退職している。

前述のClericoは、カード詐欺被害額が増えていることから、スクエアが多少の犠牲を払っても売上高の成長を優先させている可能性があると指摘する。加盟店になるハードルを下げると決済ボリュームは増えるが、その分不正を働くマーチャントも増える。

スクエアは今年3月に加盟店1社の不正により、570万ドル(約6億8,400万円)の詐欺被害に遭っている。Buzzfeedによると、ネブラスカ州オマハの加盟店が偽造旅行クーポンを販売し、スクエアがその被害額を肩代わりしたという。その金額だけで、今年の被害額の14%に達する。

スクエアは創業以来赤字が続いており、あらゆる手を尽くしてでも損失を減らす必要がある。不正の増加を許すことは長期的に大きなダメージになるだろう。
「不正をコントロールできなければ、無一文になる」とClericoは話す。

編集=上田裕資

 

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