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Ivelin Radkov / Shuttestock

Skype共同創業者のニクラス・ゼンストロームが設立したIT投資会社Atomicoは、これまでRovioやスーパーセル、配車アプリのヘイロー(Hailo)などの欧州のテック企業に出資を行ってきた。同社は先日、ヨーロッパのスタートアップ企業の現状に関する報告書を発表した。


ヘルシンキで11月11日に開催されたイベント「Slush」で、Atomicoのリサーチ責任者トム・ウェミアはこう述べた。
「2015年はブレイクスルーの年だった。勢いがあるのは確かだが、まだまだこれからだ」


ヨーロッパでは、IT系スタートアップ企業に対する投資が昨年の70億ドルを上回り、100億ドル(約1.2兆円)に達する見込みだ。テック系の開発者は160万人と米国に迫り、これまで以上に人材が豊富だ。ここ5年で新規上場したIT企業は100を超え、米国を上回っている。




一方で課題となるのが、大規模なITハブであるロンドンやストックホルム、ベルリンの間に協力体制が欠けていることだ。ほかにも欧州の投資家が人工知能やブロックチェーンなどの先端技術に疎いこと、いわゆるデカコーン(時価総額100億ドルを超える企業)が少ないこと、出資をヨーロッパ外に頼っていることなどが挙げられている。


しかし、この5年で状況は様変わりし、グローバルな視野を持った企業も増えてきた。ほとんどの企業は主要ITハブであるロンドンやパリ、ベルリン、アムステルダム、マドリードに集中しているが、その他の都市の企業を合計するとロンドンを上回る。


シリコンバレーで成功した起業家らがヨーロッパでの再投資を始め、Skypeなどの大企業が別会社を設立し始めている。欧州の起業家の62%が、ヨーロッパが起業に適した場所だと考えている。


欧州はテクノロジー系の学位取得者数がアメリカの2倍以上で、人材が豊富だ。ウェミアは、「ストックホルムやフィンランドのような都市の起業家らが連携することで、スケールメリットが得られる」と言う。その連携を支援する役割が投資家たちや、Slushのようなイベントに期待されている。


ヨーロッパはその規模に比べて資金が不足している。2015年の投資ラウンドにおいて、シリーズB以降の出資はアメリカの14分の1にとどまっている。


一方、2014年と2015年にIPOによって調達された資金はアメリカを超えた。しかし、2003年以降に発足したユニコーン(時価総額10億ドル以上の企業)の中でヨーロッパ企業は15%にしか満たず、デカコーンに関しては9%だけだ。


それでも、ウェミアはアメリカに追いつくのは「時間の問題だ」と言う。
「ヨーロッパのユニコーン25社を創業年別で見てみると、2011年以降に創立されたのは1社だけだ。ほとんどの企業は2008年以前に創立されている。欧州のテック企業の全盛期はこれからやってくる」

編集=上田裕資

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