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現在のビジネスモデルの潮流について、経営学者はどのように見ているのだろうか。3人の経営学者の理論から読み解く。


経営戦略論としての「ビジネスモデル」は、2001年のドットコムバブル崩壊、9.11同時多発テロ不況により、“ 楽観的なビジネスモデル論”が息の根を止められたように思えた。

しかし、02年以降も、むしろ不況を乗り切るために必要とされた「イノベーション」と「持続的競争優位」の解析に役立つとされ、ビジネスモデル論は死なず、アップルに代表されるような新しいビジネスモデルも生まれ、「ビジネスモデル・イノベーションの時代」となった。

現在のビジネスモデル論について、世界を代表する3人の経営学者クレイトン・クリステンセン教授、ヘンリー・チェスブロウ教授、アラン・アファー教授のそれぞれの理論からひもとく。




“ビジネスモデルの変革こそがイノベーションの源だ”
クレイトン・クリステンセン(ハーバード・ビジネス・スクール教授)

『イノベーションのジレンマ』で知られるクリステンセン教授には、「ビジネスモデルの変革こそがイノベーションの源だ」という考え方がある(「Source of Innovation」)。

アップルはiPhoneで発明・技術的革新を起こしてはいないが、ビジネスモデルを変革し、イノベーションを起こしたと主張。デザインという付加価値だけではなく、世界同一商品による巨大なプラットフォームをつくり、多くのサービスがその上で花開き、アップルが売り上げの一部を永続的に手に入れられる仕組みをつくったとしている。



“ビジネスモデルとはイノベーション実現に向けた乗り物である”
ヘンリー・チェスブロウ(カリフォルニア大学バークレー校教授)


『オープン・イノベーション』で知られるチェスブロウ教授は、ゼロックスの研究所PARCからスピンオフした35の技術系ベンチャーを調査し、「技術だけではイノベーションは育たない」「イノベーション実現のためには適切なビジネスモデル調査と学習が必須だ」と結論を出した。

イノベーションを実現するためには、シーズが馬力のある適切な乗り物に乗っていなくてはならない―。 同氏は、「ビジネスモデルとはイノベーション実現に向けた乗り物である」とする考え方をもっている(「Vehicle for Innovation」)



“ビジネスモデルと利益は直結する”
アラン・アファー(ミシガン大学教授)

ビジネスモデル論の専門家であるアファー教授は「ビジネスモデルと利益は直結するはずだ」と論じた。ビジネスモデルこそが、市場におけるポジショニングがよければ勝てるという「ポジショニング論」と、コア・コンピタンスなどのケイパビリティ(オペレーションや資源)が競争力維持には大事とする「ケイパビリティ論」が融合され、経営戦略の力が発揮されるフレームワークだとした。

世界的工具メーカー・ヒルティは、同氏の理論を具現化し、メーカーからサービス業へ転換し、成功。こうした持続的競争優位を保つ事例も数多く出ている

三谷宏治 = 文

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