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AI

2025.04.16 09:15

生成AIの利用率、日本であまり上がらない理由

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ChatGPTの発表以降、生成AIが注目を集めてから約2年半。生成AIに関する技術の進歩は飛躍的で、プロンプトに対する回答の精度が向上しただけでなく、業務の補完や画像・動画の生成などさまざまな用途で活用されだしている。

そんななか、GMOリサーチ&AIが昨年より定期的に調査している「AIトレンドに関する自主調査」を実施。その結果を公開している。

それによると、生成AIについて認知していると回答した人は、72.4%で、2023年11月の調査開始時点の71.1%からほぼ横ばいに推移している。利用状況に関しては、「使ったことがある」が42.5%で、これは2024年2月調査時の33.5%から9ポイントの上昇がみられたものの、思った以上に利用者は増えていないという印象だ。

「生成AIを利用している」と回答した人に、1年前と比較したとき、生成AIの利用頻度の変化を問うたところ、「使用時間・回数が増えた」と回答した人は60.6%おり、「利用が減った」と回答した人は、わずか2.8%に留まっている。生成AIを利用している人は、その利用価値を見出し、ますます活用している一方で、生成AIを利用しないと回答した人の理由としては、「必要性を感じない」が68.0%となっており、生成AIの利用促進するためには、生成AIを実際使っての成功体験が必要なのかもしれない。

生成AIの業務利用状況については、「日常的に利用している」と「ときどき利用している」を合わせて19.2%しかいない。2024年8月の時点では15.7%なので、わずかに上昇しているものの、やはりあまり活用範囲は広まっていないようだ。

生成AIの業務利用に対する懸念事項としては、「データプライバシーとセキュリティ」が30.0%でトップ、続いて「著作権や知的財産権の問題」が24.7%、「AIによる意思決定の透明性と説明可能性」が20.0%となっている。これらは、2024年8月の時点から大きくは変わっておらず、解決策を見出していない企業が多いことか伺える。

最近はさまざまなアプリ内で生成AIを活用しているケースもあり、今後は気が付かないうちに生成AIの恩恵を受けることになるかもしれない。ただ、生成AIを業務で活用する日本企業は、欧米や中国に比べて少なく、すでに生成AIを活用している企業とそうでない企業の差は開くばかり。データプライバシーやセキュリティ、著作権や知的財産権の問題については、すでに活用している企業で対応策は示されており、早期に対応していかないと負け組から這い上がれなくなるかもしれない。

出典:GMOリサーチ&AI「AIトレンドに関する自主調査」より

文=飯島範久

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