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経営・戦略

2025.04.09 15:00

東南アジアの配車大手Grabがシンガポールで「タクシー事業」開始

Shutterstock.com

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東南アジア最大の配車サービス企業であるGrab Holdings(グラブ・ホールディングス)は、これまでシンガポールで提携ドライバーが運転を行うライドシェアとフードデリバリーのサービスのみを行ってきたが、現地の交通当局LTAから10年間の営業ライセンスを取得して、自社でタクシー車両を保有するタクシー事業者としての営業を開始する。

10年前に配車サービスを開始したグラブは、タクシー業界を大きく変革した。しかし、2014年のピーク時には約2万9000台だった同社のライドシェア車両の台数は、現在1万3000台を下回っている。ナスダックに上場するグラブは、「GrabCab(グラブキャブ)」の名称で展開するタクシーサービスが今後、同社のライドシェア事業を補完すると述べている。

「今後は、ピーク時や深夜などの時間帯や、タクシーでしかアクセスできない地域でも車両を提供可能になり、満たされていない消費者ニーズに対応することが可能になる。また、需要の増加が予想されるポイント・ツー・ポイントの交通サービスを提供する体制を整えると同時に、路上でタクシーを拾うことを希望する消費者にも対応できる」と、グラブは声明の中で述べている。

グラブは、9カ月前にシンガポールのタクシー会社「TransCab」の買収を断念していた。このディールの買収価額は、1億シンガポールドル(約107億円)と報じられていた。

「グラブキャブの参入により、シンガポールにおけるタクシー事業者の総数は6社となる。これによりドライバーや通勤客の選択肢が増えると同時に、タクシー供給量の増加も期待できる」とLTAは述べている。

グラブは、LTAから取得した営業ライセンスで、3年後に最低800台のタクシーを維持していることを義務付けられる。グラブキャブは、温室効果ガス(CO2)の排出量が少ないハイブリッド車と電気自動車を使用する予定だ。

シンガポールに本拠を置くグラブは、配車サービスとフードデリバリー事業の売上高を堅調に伸ばしている。同グループの収益は、2024年に前年比19%増の28億ドル(約4070億円)に達し、年間の純損失は前年の4億8500万ドル(約705億円)から1億5800万ドル(約229億円)に縮小している。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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