「報道されているような合併の取引について、当社といかなる当事者との間にも合意はない。このような報道は過去数年間にわたり流れていたが、憶測に基づくものだ」とGoToは、2月4日のインドネシア証券取引所に宛てた声明で述べている。
ロイターによると、GoToとグラブの統合交渉は過去にも行われたが破談し、昨年12月に再開したが、今回も合意に至らない可能性があるという。
GoToの株価は、4日のジャカルタ市場で7.4%上昇したが、5日に3.4%下落した。一方、ナスダックに上場するグラブの株価は、同社が70億ドル(約1兆1000億円)以上の評価額でGoToの買収を検討しているというブルームバーグの報道を受けて、4日のニューヨーク市場で12.6%上昇した。
この合併は、赤字経営が続く2社の黒字化を早める可能性があるものの、アナリストは、この合併が規制当局の承認を得るのは困難だと指摘している。
インドネシアの調査会社Stocknow.idの創業者ヘンドラ・ワルダは、「この合併が実現すれば、東南アジアで巨大なテクノロジー企業が誕生し、直接的な競争が減少し、業務の効率化が進むだろう」と述べている。しかし彼はまた、「この熱狂の裏には、独占禁止法の規制や企業文化の統合の難しさなどの大きな課題があり、慎重に考慮すべきリスクとなる」と指摘した。
一方、GoToは黒字化に向けた再編の取り組みを加速させている。同社は、2023年12月に中国バイトダンス傘下のTikTokから15億ドル(約2300億円)の出資を受けて、Eコマース部門のTokopedia(トコペディア)を新たな合弁会社の傘下に置くことに合意していた。
(forbes.com 原文)