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欧州

2025.04.07 13:00

移住者を歓迎する欧州の町や村、生活費や不動産を支給 対象となるには?

イタリア南西部カラブリア州の海岸沿いの町シッラ(Frank Bienewald/LightRocket via Getty Images)

イタリア南西部カラブリア州の海岸沿いの町シッラ(Frank Bienewald/LightRocket via Getty Images)

海外移住を考える場合、移住先の物価は重要な要素となる。信じられないかもしれないが、海外に移住することで「報酬」を得ることができる場合もある。欧州では人口減少に歯止めをかけるため、移住希望者に経済的な特典を与える町や村があるからだ。

本稿では、このような移住者への経済優遇策を設けている場所や条件について紹介しよう。魅力的な特典の裏に隠された注意点にも触れている。

イタリア

イタリアの「1ユーロ住宅」に関するニュースは大きく取り上げられている(訳注:同国には過疎化対策として、移住者に地元の物件を1ユーロ(約160円)で提供している自治体がある)。実際、最近では米動画配信大手ネットフリックスのドラマの題材にもなった。だが、これは小銭を払えばイタリアで夢のマイホームが手に入るというような単純な話ではない。

対象となる家屋は通常、居住不可能な状態で、1ユーロという価格は単に形式的なものなのだ。住宅の改修費用や弁護士費用、固定資産税といった支出を考慮しなければならないほか、規則は自治体によって異なるが、地元自治体への保証料が発生することが多い。また、家の改修は決められた期限内に完了しなければならない。

外国人がイタリアで家を購入しても居住許可が与えられるわけではないため、常時住みたい場合は同国のビザ(査証)の取得方法も検討しておく必要がある。さらに、こうした1ユーロ住宅はイタリアの特定の地域、通常は英語があまり通じない人里離れた小さな村でしか提供されていない。

とはいえ、こうした優遇措置は何年も前から実施されており、実際にこの制度を利用して現在イタリアで幸せに暮らしている外国人も多い。1ユーロ住宅の中には改修費用が総額2万5000ユーロ(約400万円)程度と安価なものもあり、住宅ローンを背負わずにイタリアのマイホームで暮らすことは単なる夢物語ではない可能性もある。

同国には、別の方法で人口減少を食い止めようとしている自治体もある。南西部カラブリア州では、人口3000人未満の州内の町に移住する場合、3年間で最高2万8000ユーロ(約440万円)が支給される移住者向けの制度がある。応募資格は18~39歳で、新規事業を始めるか既存の事業を引き継ぐ計画を地元自治体に提出する。承認された場合、90日以内に移住しなければならない。

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翻訳・編集=安藤清香

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