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2025.02.02 08:00

移住先として人気のスペイン、「物価が安い」のは本当か?

地元の人々でにぎわうスペイン北部バスク地方の居酒屋(Francesco Bonino / Shutterstock.com)

地元の人々でにぎわうスペイン北部バスク地方の居酒屋(Francesco Bonino / Shutterstock.com)

スペインは近年、旅行者に人気の行き先として、各種ランキングで上位の常連となっている。同国は昨年、米国人が訪れたい国として、カナダ、英国に次いで3番目に多く検索され、メキシコやイタリアを上回った。では、より長く滞在してスペインに移住するのはどうだろうか? 実際にスペインで暮らすとしたら、どのくらいのお金がかかり、不動産の賃貸や購入にはいくらくらい必要になるのだろうか? 本稿では、スペインで暮らすための経済的な面を考察していく。

旅行者の間で安定した人気を誇るスペイン

スペインは昨年、米旅行誌コンデナストトラベラーの読者が選ぶ「世界最高の国」で5位に選ばれた。同国第2の都市バルセロナには「世界最高の居酒屋50選」のうち2軒があり、スペイン人はおいしいお酒とともに美食を楽しむ術を知っているようだ。同誌は、スペイン北東部のマタラーニャを「2025年に訪れるべき欧州の旅行先」のリストに掲載した。その理由は、滝やハイキングコース、崇高な村々は言うに及ばず、さえぎるもののない星空と自然の美しさにある。

米ブルームバーグ通信が発表した「2025年に訪れるべき旅行先」では、スペイン領カナリア諸島に焦点が当てられた。同諸島を構成するテネリフェ島、グランカナリア島、ランサローテ島の3つの大きな島々では、観光客が「目まぐるしく変わる風景を見ながら山歩きをしたり、石畳の小道沿いに立ち並ぶブティックで買い物をしたり、海岸で本を読みながら寝そべったり」できる、素晴らしい機会が目白押しだからだと紹介された。

他方で、スペインの主要観光地には昨年、数多くの観光客が押し寄せ、地元住民が過密状態や家賃の異常な値上がりに抗議するなどのあつれきを生んだ。こうしたことから、米旅行誌フォーダーは、スペインの人気観光地であるバルセロナ、マヨルカ島、カナリア諸島を「2025年に訪れるべきではない旅行先」に掲載し、渡航を控えるよう呼びかけている。

スペインの生活費

スペインの物価はフランスや米国といった国々より安い。単身の場合、家賃を除く各国の1カ月の平均的な生活費は次の通りとなっている。

・ スペイン 731ドル(約11万3000円)
・ フランス 1200ドル(約18万5000円)
・ 米国 1166ドル(約18万円)
・ カナダ 1023ドル(約15万8000円)
・ マルタ 801ドル(約12万4000円)
・ タイ 650ドル(約10万円)
・ ポルトガル 592ドル(約9万2000円)

欧州諸国を比較すると、スペインの生活費は隣国のフランスよりはるかに安いことが見て取れる。ところが家賃を考慮すると、スペインはフランスより平均で9%近く高くなる。
次ページ > スペインで裕福になるためのハードルは他の多くの欧州諸国と比べると低く、生活費も比較的安い

翻訳・編集=安藤清香

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