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2025.04.08 17:45

子どもの免疫力の育て方 明治がお勧めの「イクメン」とは

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ところが、こうした知識を持つ保護者は少数派だ。育て方を知っている人も少ない。では何をすればいいのか。保護者と小児科医の両方に尋ねると、睡眠、規則正しい生活、食事、運動など、保護者の対策はほぼ間違っていないものの、小児科医の認識とに大きな違いが見受けられる。それらの対策は、保護者が考えるよりもずっと重要だと医師は感じているのだ。意外なことに、マスクや手洗いうがい、室内の湿度と温度の管理、サプリの摂取については医師はあまり重要と考えていないこともわかる。

この調査の監修にあたった関西医科大学副学長、医学部長、小児科学講座主任教授の金子一成氏は、幼稚園や保育園などで初めて集団生活を経験する時期に、1年で10回ほど感染症にかかることは珍しくないという。さまざまな病原体に触れることで感染症への抵抗力がつき、また「免疫の暴走であるアレルギーの発症を抑え、免疫が適切に働くトレーニングになる」とのことだ。そうして5歳ごろまでに、免疫細胞の役割分担が決まっていく。その後、12歳ごろまでに免疫に関係する臓器が発達して細胞数が増え、総力が上がるという2段階で免疫力は育つ。

今回の調査結果を見て金子医師は、今の親は感染予防の意識は高いが、ウイルスに触れることで免疫力が育つという認識があまりないようだと指摘する。病原体に対して過保護になっては免疫系のトレーニングができず、アレルギー体質の子どもを増やすことにもなると懸念している。

「イクメン」には、とくに睡眠、運動(外遊び)、規則正しい生活が重要だと金子医師は話す。さらに、ワクチン接種は「もっとも確実な免疫強化方法」なので欠かさず行い、食事は腸の免疫系を刺激する善玉菌を含む発酵食品や善玉菌のエサになる緑黄色野菜をあわせて摂る「シンバイオティクス」など、いろいろな食品をバランスよく食べることをすすめている。

プレスリリース

文 = 金井哲夫

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