米国製やフランス製の精密誘導爆弾を搭載できるように改修されたウクライナ空軍のSu-27戦闘機が、ウクライナと国境を接するロシア西部ベルゴロド州で橋を破壊している。27日にソーシャルメディアで拡散した動画には、同州のグラフォフカ村とナジェージェフカ村にそれぞれ架かる橋2本が空爆される様子が映っている。動画はウクライナ軍の監視ドローン(無人機)などから撮影された映像を編集したものだ。
Airstrikes by Ukrainian aviation targeted bridges in Grafovka and Nadezhdovka, complicating Russian logistics in the Belgorod region. pic.twitter.com/m0hwYNKWWv
— WarTranslated (@wartranslated) March 27, 2025
ウクライナ空軍で、数が減ってきている旧ソ連製の重量級戦闘機をなお操る百戦錬磨の飛行士コミュニティーに所属するSu-27パイロットたちが、これらの爆撃で何をしようとしているのかは明らかだ。ウクライナ軍は、ベルゴロド州の北西に隣接するクルスク州で保持していた突出部の大半から撤退してから1週間ほどあと、今度はベルゴロド州に侵入した。Su-27のパイロットたちは、これらの橋があるベルゴロド州の国境近くの一帯を孤立させようとしているのだ。
この作戦では、シベルスキー・ドネツ川をはじめ、ベルゴロド州やクルスク州を流れる水路に架かる橋を落とすことがカギを握る可能性がある。
ウクライナ軍が昨年8月に始めたクルスク侵攻作戦が失敗したのは、突出部の西でロシア軍がセイム川を渡るのを阻止できなかったことが一因だった。ロシア軍は西側から徐々に押し込み、最終的には精鋭ドローン部隊がウクライナ軍の補給車両などを大量に破壊し、突出部への主要補給路を遮断した。その結果、ウクライナ軍の大半の部隊が撤収に追い込まれた。
ウクライナ軍がクルスク州での敗北を繰り返すまいと決意しているのは明らかだ。一方、ウクライナ軍がベルゴロド州でどれほど大きなことを企図しているのかはまだ明らかでない。現在の侵入は最初から、短期間で浅いものと意図されたものなのかもしれない。しかし、もしウクライナ軍がベルゴロド州の一部を意味があるほどの規模で占領するつもりなら、現地の河川を自軍に有利になるように活用する必要があるだろう。