興味深いことに、米ロ首脳の電話会談では、黒海での停戦に関する交渉を開始することでも合意したと発表されている(編集注:米政府は25日、黒海での安全な航行の確保や武力行使の排除でロシア、ウクライナとそれぞれ合意したと発表した)。これもまた、大勢のロシア軍人が死んでいる陸戦と別のものだ。プーチンはここでも、人的損害は少ないが、ウクライナのドローン、この場合、水上ドローンがますます成功している領域をより懸念している。
ウクライナは最近、水上ドローンを「ミニ空母」としても運用し始め、搭載するFPVドローンを発進させて、ほかの兵器では届きにくかったロシア軍のレーダーなどの目標を攻撃している。
電話会談後の3月19日の晩にも、ロシアはウクライナに対してシャヘドを145機発射している。これ自体がひとつのメッセージだ。ロシア側が先にドローン攻撃を停止するというのは、プーチンのやり方として考えにくい。それでもこの電話会談は、ロシアが最も痛みを感じる箇所を突くというウクライナの取り組みにとってはメリットがあったのかもしれない。ウクライナにとってその方策は、ロシアの脆弱な石油・ガス施設に対する長距離攻撃を強化するというものになる。