Gmailの最新AI機能
そして話はGmailに移る。グーグルは米国時間3月20日に「Gmailは、AIを活用したよりスマートな検索機能を導入し、最も関連性の高い結果をこれまでより速く表示します」と発表した。これは確かに便利だろう。過去のメールや送信者とのやり取りを考慮し、メール検索の苦労を軽減するというわけだ。グーグルは「もし溢れかえる受信トレイの中から必要な情報を見つけるのに苦労したことがあるとしたら、それはあなただけではありません」と述べている。
しかし、ここでもAIが個人情報を扱う点には注意が必要だ。プライバシー上の影響についてグーグルに尋ねたところ、「私たちの最優先事項は、ユーザーのプライバシーを尊重しながら、データに関する選択と管理をユーザーに提供することです。このツールは『スマート機能』の1つで、パーソナライズ設定で制御できます」と説明している。これらの設定の詳細は公開されている。
ユーザーのデータがAIモデルの学習やマーケティングプロファイルの強化に流用されているとの示唆はないが、分析自体は行われている。最終的にどこまで許容するかは、各ユーザー自身が線引きを決める必要がある。たとえば、監査可能なデバイス上でのAI分析とクラウド上での分析には大きな違いがある。筆者はGmailやメール全般について、(iOSなどの)他のプラットフォームで進んでいるデバイス上の処理に追いつく必要があると以前から主張してきたが、今回の件は改めてその重要性を裏づける例だ。
今回の新機能は「最も関連性が高い(most relevant)」検索と呼ばれ、個人向けのGoogleアカウントで順次導入されているという。この機能はこれまでは「上位の検索結果(Top results)」と呼ばれていたが、それがさらに発展したかたちとなる。グーグルによれば「ウェブやAndroid、iOSの公式Gmailアプリで利用でき、従来の『最近』の検索結果とAIを使った『関連性の高い』結果を切り替えられる」とのことだ。ビジネスユーザーへの提供はもう少し先になる見込みだ。