現在、コンピューターやスマートフォンの世界で新たな戦いが進行しており、これが今後何年にもわたってテクノロジーの使い方を左右すると見られている。先頭を走るのはグーグルだが、提供するGmailは他のどのプラットフォームよりも大きな変化を遂げる可能性が高い。したがって、30億人ものGmailユーザーには、安易に「はい」をクリックする前に慎重に考えるべき重大な決断が迫られている。
ここでいう「戦い」とはAIに関わるもので、私たちが日々使うプラットフォームやサービスに新たなツールが猛烈なスピードで組み込まれている状況を指している。アップルが想定外の遅れに見舞われた一方で、グーグルとマイクロソフトには止まる気配がない。両社を止めるのはほぼ不可能だ。
たとえば、ブラウザのChromeに残る検索履歴を考えてみるとよい。そこで何を検索し、どのような言葉で検索するかは非常に個人的な情報だ。しかし、ユーザーがそれを許可すれば、AIがその履歴を自由に使ってユーザーをより深く理解し、より多くの支援を提供するようになる。ただし、これは個人的な秘書ではなく、世界で最も巨大なマーケティング企業が所有するテクノロジープラットフォームであることを忘れてはならない。いわゆる「自己責任」が求められるわけだ。
あるいは、マイクロソフトが新たに導入した(しかも自動的に有効になる可能性がある)Copilot AIをOneDrive上で動作させる設定についてはどうだろうか。PC Worldは「マイクロソフトのCopilotに自分のOneDriveファイルを嗅ぎ回らせたいか?」と問いかけつつ「もう手遅れです。クラウド上のファイルをAIに探索されるのは少し不気味に思えるかもしれないが、マイクロソフトはユーザーの承認がある場合のみ機能すると主張している」と報じている。