なぜ人類は進化したか:「生命存在可能性の機会」
論文の共同執筆者で、ペンシルベニア州立大教授(天文学・天体物理学)のジェイソン・ライトは、今回の研究では太陽の寿命ではなくて地質学的な時間スケールを用いたのは「それが大気や地形が変化するのに要する時間の長さだからだ」として「これが地球上での標準的な時間スケールだ。生命が惑星と共に進化するならば、生命の進化は惑星の時間スケールで、惑星のペースで進むだろう」とコメントしている。
また、今回の論文では、地球史にわたって「生命存在可能性の機会」がどのようにもたらされたかを詳しく調査している。カギとなる要因としては、海面温度や海水塩分濃度や大気中酸素濃度の変化が挙げられている。すなわち、地球が人類にとって快適な環境になったのはここ20万年のことだが、それは諸条件の自然な帰結としてそうなったわけだ。
宇宙人と知的生命体:地球外の探査
今回の最新研究の要点は、地球さらにはあらゆる地球類似惑星では、知的生命体は必然的なものである可能性が高いことだ。
ライトは「知的生命体の出現は、結局それほど確率的に起こりそうもないことではないのかもしれないと、今回の新たな観点は示唆している」として、進化は惑星の条件が許す限りにおいて進行する、予測可能なプロセスなのかもしれないと続けている。ライトは「今回の研究の枠組みは、地球だけでなく他の惑星にも適用できることから、人類と同類の生命体が他の惑星に存在するかもしれない可能性を高めている」として「おそらくそれは時間の問題にすぎないのであって、条件を達成できるペースが地球に比べて速い惑星もあれば、はるかに長い時間を要する惑星もあるかもしれないということだろう」と説明している。
NASAのジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡(JWST)とパンドラ小型衛星による探査計画では、酸素などのバイオシグネチャー(生命存在指標)を見つけるために太陽系外惑星の大気を観測する。今回の最新の説によれば、もしバイオシグネチャーが見つかれば、地球外知的生命体の発見につながる可能性がある。