ドローン(無人機)にますます支配されるようになっているロシア・ウクライナ戦争で、ドローンがドローンの工場を爆破するというのも繰り返し起こる現象のひとつになっている。
ウクライナ国防省情報総局(HUR)が運用する長距離攻撃ドローンが12日夜、ウクライナとの国境から約480km離れたモスクワ郊外オブホボの偽装されたドローン製造施設を攻撃した。
この施設はコンクリートプラント内に隠されていた。エストニアのアナリストであるWarTranslatedは「地元住民が最初に施設での大規模な爆発と火災を報告した」と伝えている。
According to various sources, drones of the Defence Intelligence of Ukraine have struck a concealed drone manufacturing facility in the Kaluga region.
Long-range strike drones of the Main Directorate of Intelligence targeted the UAV production site in the village of Obukhovo,… pic.twitter.com/IMp8Fd0izm— WarTranslated (@wartranslated) March 13, 2025
ウクライナのドローンがロシアのドローン工場を攻撃目標にしたのはこれが初めてではない。2024年4月、ウクライナ当局は当時運用し始めたばかりだったA-22フォックスバット軽量スポーツ機改造型ドローンを出撃させ、国境から約1300km離れたロシア西部タタールスタン共和国エラブガ(アラブガ)郊外のドローン工場を攻撃した。
ウクライナはその後、ロシア領内などの目標を狙った遠距離打撃(ディープストライク)作戦をエスカレートさせていくことになるが、アラブガ特別経済区内の施設に対するこの攻撃はなお、これまでで最も遠距離の攻撃のひとつに数えられる。この攻撃はまた、ロシアのドローンを支える産業に対する最初の攻撃だった可能性もある。
ウクライナがロシアのドローン生産拠点に対する攻撃を続けるのは理にかなっている。ロシアがウクライナに対して起こして4年目に入っている全面戦争において、ドローン戦での優位性はウクライナにとって最も重要な優位性だと言ってもいいからだ。
1000km以上にわたる戦線の重要な方面ではたいていの場合、上空のあちこちをウクライナ軍のドローンがひっきりなしに飛び交っている。そのため、ロシア軍の装甲車両は「基本的に(帰還が見込めない)片道切符の運用になっている」とロシアのある軍事ブロガーは不満をこぼしている。