ロイターは、CoreWeaveがIPO時に350億ドル(約5兆1800億円)以上の評価額を目指す可能性があると報じている。
売上の6割以上がマイクロソフトから
CoreWeaveの共同創業者らがビリオネアとなった要因の1つは、その巨額の評価額にあるが、彼らが資金調達にあたって、一般的なテック企業ほど多くの株式を希釈しなかったことも大きい。目論見書によれば、同社はこれまで12回の資金調達で145億ドル(約2兆1500億円)を調達したが、そのうち3分の2以上がデット(借り入れ)によるものだった。
例えば、直近の大規模な資金調達は、アセットマネージャーのMagnetar(マグネター)とブラックストーンが主導した76億ドル(約1兆1200億円)のデットラウンドだった。
CoreWeaveの今後の不安要素としては、同社がマイクロソフトのAzureやアマゾンのAWSなどのクラウドプロバイダーとの熾烈な競争に直面していることが挙げられる。さらに、同社は1社の顧客に大きく依存している点も懸念される。2024年における売上の60%以上は、顧客向けのGPUキャパシティの確保に苦戦するマイクロソフトからのものだった。
しかし、ニュースサイトのThe Informationによれば、マイクロソフトは2030年までにCoreWeaveのサーバーに100億ドル(約1兆4800億円)を投じる計画があるものの、サティア・ナデラCEOは2023年のインタビューで、CoreWeaveのような企業に頼るのは、急場しのぎの対策だと発言していた。