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AI

2025.02.03 11:30

話題の中国AI新興DeepSeek、その評価額と創業者の保有資産

Thomas Fuller/SOPA Images/LightRocket via Getty Images

Thomas Fuller/SOPA Images/LightRocket via Getty Images

ここ最近、世界的注目を浴びている中国の人工知能(AI)企業DeepSeek(ディープシーク)は、外部からの出資を受けず、共同創業者の梁文峰(リャン・ウェンフェン)と3人の創業メンバーの自己資金のみで運営されている。

中国当局の記録によると現在40歳の梁は、2023年設立のDeepSeekの約84%を保有しているが、その資金の一部は彼が2015年に設立したヘッジファンド「ハイフライヤー・クオント(幻方量化)」から調達された。

フォーブスが話を聞いたアナリストや投資家は、DeepSeekがまだ大きな収益を生み出していないにもかかわらず、同社の評価額は10億ドル(約1560億円)に達し、潜在的にはそれを大きく上回ると考えている。

現在のところ、DeepSeekの唯一の収益化の手段は、AIモデルの開発者向けアクセスだ。同社の推論モデルの利用料は100万出力トークン(約75万語)あたり2.19ドル(約340円)で、OpenAIの同じ出力トークンに対する価格の60ドル(約9350円)と比べると大幅に安い。この低価格は、OpenAIやAnthropic(アンソロピック)などの大手を価格面で圧倒し、市場シェアを獲得するための戦略と考えられる。

フォーブスは、投資会社DAデビッドソンによる典型的なトークン使用量の推定値を基に、DeepSeekの年間収益を「100万人の有料ユーザーあたり約600万ドル(約9億3500万円)」と試算している。

年間収益が8億7500万ドル(約1360億円)に達したと推定されるアンソロピックは、その約69倍のマルチプル(評価倍率)の600億ドル(約9兆3500億円)の評価額で新たな資金調達を準備中と報じられている。フォーブスは、DeepSeekのマルチプルがそれをやや下回る65倍と仮定し、同社が10億ドルの評価額を達成するためには、約300万人の有料ユーザーが必要になると試算した。

調査企業Appfiguresのデータによると、DeepSeekのアプリは最初の2週間で360万回以上ダウンロードされたという。投資銀行ウィリアム・ブレアのアルジュン・バティアは、このうち10%未満が有料ユーザーであると推測しつつ、スタートアップの評価額の推定に用いるマルチプルは、「1〜2年後に予想されるユーザー数に基づいて適用すべきだ」と語っている。
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編集=上田裕資

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