医療従事者や患者にとってこれは非常にエキサイティングなことだ。「このような治療が必要な疾患は数多く存在し、多くの人の人生を大きく変えることが可能だ」とブラハは話す。
製薬会社や学術機関を顧客に想定
フューズ・ベクターズは、まだ収益化に至っていないが、製薬会社や学術機関など約12のパートナーと契約しており、今後数カ月で技術トライアルを実施する予定だ。創業メンバーたちは、年内にこれらのパートナーのいくつかを有料顧客にしたいと考えている。
同社は、遺伝子治療の自社開発と、外部開発者に対する製造プロセスへのアクセス提供という2つのビジネスモデルを追求している。「重要なのは、これらの治療法をできるだけ早く開発することだ」と創業チームは述べている。
フューズ・ベクターズは2月25日、520万ドル(約7億8000万円)を調達したと発表した。このラウンドは、欧州と北米でアーリーステージに特化した投資を行っているHCVCが主導した。
「ユニークな無細胞ウイルスベクター・ソリューションに加え、創業メンバーの専門性、強力なビジネスモデルにより、フューズ・ベクターズはこの分野における大きな課題を克服する可能性を秘めている。我々は、同社が患者に革新的な治療をもたらすことができると確信している」と、HCVCのマネージング・パートナーであるアレクシス・ホウスーは述べている。
今回のラウンドには、ノボノルディスク財団が支援する国際的な非営利財団であるバイオイノベーション・インスティテュートとデンマークの輸出投資基金も参加した。「フューズ・ベクターズのアプローチは、遺伝子治療を業界にとってより興味深いものにすると同時に、患者へのアクセスを向上させる可能性を秘めている」と、バイオイノベーション・インスティテュートのチーフ・ビジネス・オフィサーであるトライン・バーソルディは述べている。